<セCSファイナルステージ:巨人4-2中日>◇第6戦◇22日◇東京ドーム

 巨人が3連敗の崖っぷちから3連勝。アドバンテージ1勝を含め4勝3敗とし、3年ぶりの日本シリーズへ駒を進めた。

 原監督の胴上げに背を向け、中日高木守道監督(71)はベンチを下りた。「悔しいの一言。それで終わり。あとは何もありません」。表情をゆがめ、質問をさえぎろうとした。だが矢継ぎ早の問いに「4連敗してたら悔しくなかったけど、3連勝しただけに悔しい。勝負事は頑張っただけではいかん。それが悔しい」と肩を落とした。

 リベンジはならなかった。前回監督を務めた94年、伝説の10・8で巨人に敗れた。「あの時は監督として未熟だった」と振り返る今CSで、またも巨人との最終決戦で敗れた。「とにかく今日は勝ちたい。それ以上に言葉がない」。気合十分だった一戦。10・8で長嶋巨人にオールスター継投で敗れた教訓を生かし、先発伊藤が2回途中で3失点すると、矢継ぎ早に投手陣を送り込んだ。だが守護神山井を4回から投入した必死の継投もむなしく、3点のビハインドは重すぎた。

 原監督の勝利インタビューが響く三塁側ベンチ裏。全ナインとコーチ、裏方を集め「よう頑張ってくれた。ありがとう!」と頭を下げた。レギュラーシーズンで10・5差離された巨人を追い詰めた。08年のアドバンテージ導入後ではセ・リーグ初となる、2位もしくは3位からの日本シリーズ進出まであと1歩まで迫った。「それは強いのと弱いの差。でもこれ以上言うと、おかしなこと言って書かれちゃう。私は貝になります」。寂しそうに笑ってバスに消えた。【松井清員】

 ◆伝説の10・8

 94年10月8日、ナゴヤ球場で行われた中日-巨人26回戦。プロ野球史上初めて、同率首位でシーズン最終戦を迎えたチーム同士が戦い、槙原-斎藤-桑田のリレーで巨人が6-3で勝ち優勝した。