阪神中村勝広GM(63)がマット・マートン外野手(31)と「極秘再生会談」を行っていたことが10月31日、分かった。今季は不本意な成績に終わった助っ人と10月初旬の帰国直前に話し合う機会を持ち「小さくまとまるな。大きい打撃をしろ」と助言した。このオフは新外国人野手など補強に動くが、13年打線のキーマンに依然としてマートンを指名。豪快な打撃スタイルを要求した。
踏んだり蹴ったりだったマートンが、気分一新して来季に向かう。ストライクゾーンへの不満、舌禍騒動、コーチへの造反…。トラブルメーカーだった助っ人に、人知れずケアを施したのは9月に就任した中村GMだった。4年目となる来季の残留は確実。チーム再建に欠かせない戦力だからこそ、期待を寄せた。
中村GMは「帰国前に、1時間ほど、話をしたんだ。マートン、新井が復調するかで、打線の厚みが大きく変わってくる。本人も、そのへんは分かっている」と打ち明けた。悩める助っ人と腹を割って話したのは、10月初旬の米国への帰国直前だった。
中村GMは極秘会談で「小さくまとまるのではなく、大きい打撃をすればいい。いざとなれば右方向には打てるんだ。最初から右方向を狙うのではなく、右中間や左中間方向に打つ打撃をすればいい」と助言したという。復調を願うからこその“親心”。「彼も、そのことについて分かっていたよ」と振り返った。「パワーヒッター指令」で、進むべき道を示した。
理想は、球界に衝撃を与えた来日1年目、2010年の打撃だ。広角に打ち分け、イチローの記録を塗り替えるシーズン214安打。なかでも35二塁打、17本塁打が物語るように長打力を備えたスタイルこそ、本来の姿だ。中村GMは「大きく打つよう心掛ければ、15本塁打以上は打つだろう」と期待を込める。今季は自己ワーストの打率2割6分、5本塁打だったが、復調の兆しもある。8月中旬の2軍降格から再昇格した9月は、月間打率3割2分1厘でフィニッシュした。
「いい感触を得たみたい。感触を忘れないように、早めに始動すると言っていたからな」と中村GMは明かす。すでに米国で本格的にトレーニングを行い、来季への準備も始めたという。新外国人候補にブルックス・コンラッド内野手(32=レイズFA)が挙がるが、実力は未知数。最強助っ人がパワフルな打撃を取り戻せば、チームに何よりの特効薬になる。
<マートンの3年間>
▼10年
プロ野球新記録の214安打をマーク。シーズン24度の猛打賞もセ・リーグタイ記録。打率3割4分9厘は来日初年の外国人選手として歴代1位。
▼11年
打率は3割1分1厘だったが、球団新記録の30試合連続安打をマーク。180安打で2年連続の最多安打。
▼12年
広いと感じるストライクゾーンに不満を示し不振に。守備を巡って能見への舌禍騒動、関川コーチへの造反劇などプレーに集中できず。来日初の2軍降格も味わった。121試合出場、打率2割6分、5本塁打は自己ワースト。



