<コナミ日本シリーズ2012:日本ハム2-10巨人>◇第5戦◇1日◇札幌ドーム
巨人が打ちまくって王手をかけた。2回にボウカーの2ランで先制すると、3回には坂本とエドガーの適時打などで3点を追加。その後も着実に得点して先発全員安打の15安打で10点を奪った。右膝裏に違和感がある阿部は第4戦に続いて欠場したが、組み替えられた打線が機能して大勝した。対戦成績は3勝2敗。明日3日の第6戦(東京ドーム)に勝てば、3年ぶり22度目の日本一が決まる。
これが代役4番の「絡み」だ。3番坂本が3-1と突き放す適時打を放った3回1死一塁。村田修一内野手(31)はフルカウントから右前打。四の五の言ってる場合じゃない。打つしかない。決意の右打ちで一、三塁と好機を広げた。続く矢野の犠飛で加点し、エドガーの二塁打が出た。村田は激走で本塁まで走りきった。阿部不在を補う4番村田の仕事だった。
不敵な4番だ。試合前から村田は「緊張してきましたね」と言いつつ「ピリピリした感じで、やばいです」と不敵に笑った。クライマックスシリーズ(CS)ファイナルでは中日に3連敗し、がけっぷちから3連勝。「CSもこんな感じでしたね」。CSの劇的突破と重ね合わせ「気持ちが張ってます」と武者震いした。ただ、今回は大黒柱の阿部がスタメンにいない。「阿部さんの穴は安打5本でも足りない。みんなが最善を尽くすだけ」。8月1日中日戦以来の4番に指名された村田は、こういう時にこそ、チームの真価が問われると力説していた。
札幌ドームがざわつくような名前がスタメンに連ねた。前日4番の高橋由を外し、先発の小笠原は登録せず。ベンチにすら入っていなかったエドガーを6番で約2カ月ぶりに、まさかの起用。7番には前日登録外の「吉川キラー」ボウカー。加藤にはポストシーズン初の先発マスクを託した。ベンチメンバーの投手を1人減らしてまで野手を1人増やし、市川を登録して捕手4人制を敷いた。
一見、苦肉の策にも見える。だが、岡崎ヘッドコーチが「今のベスト」と話すのに偽りはない。シリーズの登録人数は40人。40人枠の中から日々25選手がベンチに入る。戦略によって人選は変わる。巨人は第5戦までに23回の入れ替えを行った。ちなみに日本ハムは17回。「今年のメンバーに捨て駒はいない」と原監督が言うように、40人全員が役割を持つ戦力だから、適材適所を見つけられる。結果は、先発全員の15安打で10得点だ。
原監督
だって常に本人たちは準備しているわけですから。そのために、ずっと来ているわけですから。私もそれに対しては信頼の中で彼らをスターティングメンバーに入れていますから。彼らも水を得た魚のごとくにね、スターティングメンバーとしてやってくれていると思います。
ベンチの阿部に出番を与えずに連敗を止め、本拠地に戻る。原監督は「1つ、北海道のジャイアンツファンの皆さんの前で勝てたのも大きい。2勝2敗で5戦目を取れたのも良かったと思います」と結んだ。「異次元」と評する戦いの今後を占う大一番で、原監督の変幻自在なタクトが、会心の王手へと導いた。【浜本卓也】



