<コナミ日本シリーズ2012:日本ハム2-10巨人>◇第5戦◇1日◇札幌ドーム

 「最高で~す!」。右膝裏の違和感で第4戦を欠場した巨人阿部慎之助捕手(33)が、なぜかいつもの決めぜりふで元気いっぱいだった。2勝2敗で迎えた第5戦は、試合出場が可能な登録メンバーに入った。ティー打撃、フリー打撃も通常通り行った。

 阿部

 なるようにしかならないんだから。あと2つ、勝てばいいんだから。試合に出るなら、ゆっくり走れるように長打しか狙わない。もしライト前なんか打ったら、まさかのライトゴロもあるからね。

 いつもチームを明るく照らす巨人の太陽。自分の故障で沈んでいる場合じゃなかった。

 痛みにめっぽう強い主将は、ひたすら出場を目指した。前日は宿舎にこもりテレビ観戦。患部への電気治療を徹底した。首脳陣は、試合直前まで阿部のスタメンを模索した。岡崎ヘッドコーチは練習を見つめながら「指名打者でいくか、代打か」と悩ましげだったが、スタメン捕手は加藤だった。

 異例の捕手4人制を敷き、阿部を代打の切り札とした。試合中は率先してベンチの前に出た。中4日で先発した内海のキャッチボール相手を買って出た。仲間がつるべ打ちを決める。キャッチャーミットをたたいて、極上の笑顔で喜んだ。

 みんなが休ませてくれた。移動日を挟んで第6戦に出場するシナリオ。「内海は最高だった。自分のできる限りのことをしっかりやって。準備します」と断固たる決意を示した。12年の集大成となる東京ドームで恩を返す。【宮下敬至】