【釜山(韓国)7日=浜本卓也】最後はやっぱり慎之助!

 右ふくらはぎ筋膜炎の巨人阿部慎之助捕手(33)が、11日の決勝戦に進出した場合、指名打者でスタメン起用される可能性が出てきた。この日の公式練習も一部別メニューで調整し、9日からの予選2試合は代打起用が有力。それでも岡崎ヘッドコーチは決勝での先発復帰を視野に入れた。

 アジアの頂点を決める大一番で、スタメン阿部の可能性が出てきた。予選2試合について、岡崎ヘッドコーチは右ふくらはぎ筋膜炎の負傷を抱える阿部は代打、4番に村田、右膝打撲の長野を指名打者で起用する方針を明かした。だが、決勝進出なら状況が変わってくる。岡崎コーチは「決勝までいけば長野は(守備も)大丈夫だろうから、阿部の指名打者もあるかもしれない」と、阿部の先発出場に望みをつないでいる。

 阿部本人も、野球好きの虫が騒ぎ始めている。この日の公式練習ではフリー打撃こそ行ったが、投内連係には参加しなかった。傷だらけの体にむちを打ち、日本一に導いた代償は小さくない。4番、主将、捕手と務めあげ、蓄積疲労も計り知れない。それでも、公式会見では「こうやって来させてもらっているので、球場に立ちたい」と頼もしいコメントを口にした。

 決勝の舞台は恐らく、親友との再会の場にもなる。予選別組の1位が有力なサムスンには元同僚の李承■がいる。「体は万全じゃないけど会いたい。アジアの強豪を見てみたいと思って来させてもらった。楽しみにしています」とグラウンド上での対面を望んだ。

 原監督は「当然、アジアシリーズにおいても制覇するということが、最大にして最後の、2012年度ジャイアンツの目標です」と位置づけた。気持ちは、慎之助も同じだ。巨人の主将としてスタメンに名を連ねてアジアを制し、侍ジャパンの中心として堂々とキューバ戦に殴り込む。不可能を可能にしてきた慎之助なら、やってのけても何ら不思議はない。※■は火ヘンに華