球児級の武器を持っていた。阪神の高知・安芸の秋季キャンプで目立っている「ポスト球児」候補の1年目松田遼馬投手(18)が64球の投球練習で、9割をクイックモーションから投じた。捕手の後方には和田監督、黒田ヘッドコーチら首脳陣。和田監督はストップウオッチを右手に熱視線を送った。

 中西投手コーチは「クイックは悪くない。1・15秒から1・16秒くらいだ」と明かした。投球動作に入ってから捕手のミットに収まるまでの時間。松田は守護神藤川の最速1・10秒に迫る速さで投じている。

 松田

 速い、遅いは自分では分からないですが、いい球がいっていました。いい感じです。

 守護神となれば、走者を背負ってのマウンドも増える。かつてリリーフエースだった中西コーチは「うしろのやつは特に必要だな。松田はセットに入るまでの動作(が課題)だな」と話した。

 入団当初から、走者を背負うと制球を乱して球速も落ちた。春の最速クイックは1・28秒だった。鳴尾浜では居残り練習でフィールディング、けん制の練習を繰り返した。1年で、平均よりも速いクイックを手に入れた。制球にばらつきもなく球速も変わらない。

 松田

 感覚ですかね。気持ちを速くしただけです。

 計測者の和田監督もほほを緩めた。「すぐにとは言わなくても近い将来、競争して勝ち取れるくらいの。そういうものをもっている」と期待する。可能性を秘めた右腕が1歩ずつ守護神への道を歩んでいく。【池本泰尚】

 ◆松田遼馬(まつだ・りょうま)1994年(平6)2月8日、長崎・島原市生まれ。波佐見でエースとして3年春に横浜と対戦し1失点完投勝利。11年ドラフト5位で阪神入り。今季ウエスタン・リーグ8試合で3勝2敗、防御率3・86。このキャンプでは1日紅白戦で真っすぐで押して1回3者凡退。4日はフォークで三振を奪い、9日は2回ピシャリと目立っている。183センチ、85キロ。右投げ右打ち。