守道監督も驚くびっくり大幅昇給だ。1年目の中日田島慎二投手(22)が20日、名古屋市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、2500万円アップの3500万円でサインした(金額は推定)。給料が一気に跳ね上がった右腕はホクホク顔。「頑張ったと言ってもらってうれしかった。自分が考えたより上だった」と素直に喜んだ。

 憲伸も、福留も、守道監督の予想さえも、大幅に超えた。高木監督は今季チーム最多56試合に登板したルーキーの契約更改をひそかに注目し「3000万円くらいじゃないの」と予想。「いろんな人から話を聞いて1回目は押すなって言われとるかもしれんしな」と保留もあると考えていた。それが一発サイン。しかもまさかの3・5倍だ。

 衝撃度はアップ率になって現れた。前年度の年俸をベースに昇給率を示す数字だが、1年目の250%アップは、中日では新人王を獲得した98年川上(231%)、133試合に出場した99年福留(223%)をも上回る。佐藤球団代表も「新人ではほぼ最高に近い」と説明した。

 中継ぎとして35ホールドポイント、防御率1・15。この日、発表されたセ・リーグ新人王は広島野村に譲ったが、「もういいっす。もらったからといって来年いいわけじゃないので」。年明けには山本昌らがオフの拠点にしている鳥取のトレーニングジム「ワールドウィング」の門をたたく。さらなる飛躍へ。休むつもりはない。【桝井聡】