来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表候補34人が4日、発表され、阪神から能見篤史投手(33)、鳥谷敬内野手(31)が選ばれた。

 鳥谷がWBC日本代表候補に選出された。プロ入り後、初の代表入り。本職は遊撃だが、代表では二塁、三塁を任され、マルチな活躍が期待されそうだ。

 「選んでいただいて光栄に思いますし、素直にうれしいです。代表に選ばれたからには、チームの勝利に貢献できるように頑張りたいと思います」

 土の甲子園で昨季ゴールデングラブ賞を獲得するなど、堅実な守備力は評価が高い。高代内野守備走塁コーチは「内野手についてはユーティリティー的な働きができる選手を選んだつもり。その意味では全員がどのポジションもこなせるように、多めの人選した」と説明。今夏球宴では二塁守備にも就いており、対応能力の高さを披露していた。

 打撃面では今季打率2割6分2厘、8本塁打と本来の実力を発揮できず。一方で両リーグ断トツ最多の94四球を選び、3割7分3厘と例年通り高い出塁率を誇った。つなぐ能力にたけ、3年連続2ケタ盗塁と走塁への意識も高く、スモールベースボールに打ってつけの存在。4年ぶりの全イニング出場も達成し、ケガに対する強さも魅力だ。

 今オフは海外FA権を行使せずに残留。大学時代からメジャー志向があり、国際舞台での活躍が夢を後押しする可能性もある。今後は来年2月15日から宮崎強化合宿に参加。ソフトバンク本多らと二塁レギュラーを争いながら、最終メンバー28人入りを目指す。早大時代は日本代表の常連だった鳥谷。虎の生え抜きスターが13年、満を持して世界に羽ばたく。【佐井陽介】