G倒が待ち切れない!

 阪神の新外国人ブルックス・コンラッド内野手(33=レイズ)が27日、関西空港着の航空機で来日し、大阪・泉佐野市内のホテルで入団会見。セ・リーグの投手DVDを入手し、巨人勢を重点的にチェックしたことを明かした。米国では攻撃的なプレースタイルで知られた暴れん坊が、打倒巨人の旗振り役になる。

 日本上陸からわずか1時間後、虎党が聞けば泣いて喜ぶ浪花節が飛び出した。金屏風(びょうぶ)の前に立ったコンラッドは紅潮した表情でまくし立てた。

 「日本の投手のDVDを見た。ジャイアンツの投手を主に見たよ。阪神と巨人はライバル関係だと知っている。巨人を何としても倒したいんだ!」。

 このセリフだけで十分だった。新助っ人は自らの役回りをしっかり心得ていた。

 昨年12月、クリスマスムードもそこそこに、米国アリゾナ州フェニックスの自宅で熱い血をたぎらせていた。テレビ画面に映るのはセ・リーグ5球団の先発投手だ。そのなかでも「GIANTS」のユニホームに食いついた。周囲からファイターと称される助っ人は、ニヤリと笑みを浮かべて強調した。

 「確かに(他チームも)全体的に目を通したよ。でも、巨人はライバルだろ。まず、巨人を倒したい気持ちが強いんだ。この先に、他の投手も見ていくよ」

 昨季、阪神は巨人に5勝15敗4引き分け。敵地東京ドームで1勝しかできず、屈辱的に敗れ去った。巻き返しに向け、打倒巨人は最重要課題。貧打を解消するためにも、新加入助っ人への期待は大きい。

 とにかく、闘志満々でグラウンドに立つ。米国では二塁にも故障を恐れず、果敢にヘッドスライディングを試みる。会見中も思わずファイティングポーズを取って笑わせた。おとなしいチームカラーの阪神には貴重な突撃精神の持ち主だ。

 「アグレッシブなプレーを心掛けるよ。試合では自分の持っているもの、すべてを出し尽くす。毎日、興奮してグラウンドに来たいね。打つだけでなく、走るのも守るのも全力でやる。打ったら全力で走るなんて当たり前だろ。とにかく一生懸命やるだけだよ!」

 関西空港に降り立ち、開口一番「コンニチハ!」と笑顔で手を挙げた。温厚な表情と裏腹に、甲子園では暴れん坊に激変する。

 「とにかく、どんな形でもチームに貢献したい。昨年、残念な結果に終わったのは知っている。勝利に貢献して、セ・リーグで優勝できるよう全力で頑張る」

 メジャーでは通算18本塁打だが、昨季、3Aナッシュビルでは21試合で10本塁打。和田阪神の4番候補が巨人に向けて、強烈な先制パンチを繰り出した。【酒井俊作】<ブルックス・コンラッド

 アラカルト>

 ◆生まれ

 1980年1月16日、米カリフォルニア州生まれ。

 ◆球歴

 アリゾナ州立大から01年ドラフト8巡目でアストロズに入団。アスレチックス、ブレーブス、ブルワーズを経て、昨季途中からレイズ。昨季は49試合で打率1割3分3厘、4本塁打ながら、3Aナッシュビルでは21試合で打率4割5厘、10本塁打、28打点。

 ◆クラッチヒッター

 10年にブレーブスでシーズン2本の代打満塁弾を放つ。

 ◆器用

 助っ人には珍しいスイッチヒッター。守備でも本職の一塁以外に二塁、三塁を守る。

 ◆親日家

 13歳の時、ボーイズリーグ代表で来日し大阪や長崎でプレー。08年にアスレチックスの一員として阪神藤川と対戦。結果は四球。

 ◆ファイター

 昨年12月、和田監督がドミニカ共和国を訪れ、ブレーブスのゴンザレス監督から「彼はファイターだし、性格もいい」と太鼓判を押される。

 ◆サイズ

 178センチ、86キロ。右投げ両打ち。