試合後の球場正面口に、楽天小山伸一郎投手(34)の姿があった。「もう帰ったんですか」と残念そうにつぶやいた。21日、韓国KIAとの練習試合(金武)に登板した。探し人は、KIA宣銅烈(ソン・ドンヨル)監督だった。「また会えれば。今日は良いところを見せられた。それが全てですよ」と、ドンと胸を突き出し喜んだ。
7回から3番手で登板。1死から中前打を許すも、後続を断った。「元メジャーでしょ。力試ししました」と、1死一塁で4番崔に3球連続でインハイ真っすぐ。メジャー通算40本塁打の大砲を、最後もインハイ138キロで三邪飛に打ち取った。気持ち全開の姿を「マウンドで、ちらちら相手ベンチを見てました」と、敵将に見せたかった。
憧れだった。中日に入団した97年春。その年、押しも押されもせぬ守護神となる宣銅烈と出会った。「スライダーの曲がりがえげつなかった。僕のセットポジションは、ソンさんのまねをしたんです。直球は独特の中指を立てる握り。これはまねできなかったですねえ」と懐かしむ。若手の自分とは天と地ほどの差があったが、気さくな人柄にもひかれた。赤坂の高級韓国料理を食べさせてくれたのは、良い思い出だ。
前日には「いくつになった?
山本昌ぐらいまでやれよ」と声をかけられた。この日は言葉を交わせなかったが「(今日22日は)良い休日が過ごせます」とニッコリ。気が付けば、初めて会った時の先輩の年齢に並んだ。成長を見せられたのが、うれしかった。【古川真弥】



