<オープン戦:日本ハム6-15阪神>◇23日◇名護

 併殺打デビューでも感心されちゃった!

 日本ハムのドラフト1位、大谷翔平投手(18=花巻東)が、対外試合デビューを果たした。4回1死満塁の絶好の場面で代打出場。結果は投ゴロ併殺打に終わったが、試合後は試合展開、状況を把握していた発言をして、高卒新人のデビュー戦らしからぬと周囲を驚かせた。実戦に入っても期待感は高まるばかりだ。

 大谷のデビューに合わせ、最高の舞台が整っていった。4回の攻撃が始まる前から「赤田の代打」と出番は決まっていた。バットを振りながら準備をする間、走者は次から次へと塁にたまった。何と1死満塁で出番が巡ってきた。「よっしゃ満塁だ…という気持ちだったけど、結果は最悪でした。犠飛を狙いました。1点を確実にほしい場面だったので」。1ボール2ストライクからのフォークを打たされて投ゴロ併殺打。スタンドはため息に包まれたが、1打席わずか5球に、内容は詰まっていた。

 ◆衝撃発言(1)「握りが見えたので…」

 凡退直前の4球目。阪神伊藤和の内角低め、129キロスライダーにバットを合わせてファウルで逃げた。3球目までは直球の連投で、カウントは1ボール2ストライクと追い込まれていた。初めて投じられた変化球。大谷は投球がリリースされた瞬間に球種を判別し、難しいコースのボールにも見事に反応した。ボールの握りが見えるというのは、一流打者では「あることでしょ」と栗山監督は言う。だが、高卒新人の発言となれば衝撃度も違う。同監督は「褒めたくはないけど…それも含めて、非凡なものを見せてくれている」とうれしそうに話した。

 ◆衝撃発言(2)「落ちる系のボールなら見逃して三振の方がいいと思った。次が4番ですし無理に当てにいかなければよかった」

 追い込まれた時点でフォークが来ることは頭にあった。大谷は打席でそれを「打ってやろう」ではなく、「見逃しでいい」と考えた。レギュラーが約束されたベテラン選手ではなく、1軍入りするためには結果でアピールしなければいけない立場。それでも、しっかりとした状況判断で、三振を恐れなかった。想定よりもボールが高く来た分、バットが出てしまい併殺に倒れたが、並の新人とは思考回路が違っていた。

 この日は初めて右翼の守備にも就き、中継プレーで送球ミスはあったが、4度の守備機会を無難にこなした。「明日もまた試合があるので、反省点を生かしてやっていきたいです」。記録に残るのは、満塁機をつぶした1打数無安打というもの。だがそこにも、大谷の、あふれんばかりの才能が満ち満ちていた。【本間翼】