<オープン戦:日本ハム6-15阪神>◇23日◇名護

 和田虎2年目は爆勝発進や!!

 阪神が21安打15得点のド迫力スタートを切った。主役は新外国人ブルックス・コンラッド内野手(33=レイズ)だ。5回に右翼へアーチを放つなど大暴れ。豪快なパワーを見せつけた。虎党の皆さん、頼もしい助っ人に注目ですぞ。

 開幕まで取っておきたい弾道だ。新助っ人のバットからはじかれた白球は、右翼上空を舞い上がる。そのまま軽々とフェンスを越え、ネットへズドン。コンラッドがオープン戦初戦でいきなり力強い打撃を見せた。4点リードの5回無死一塁。3-1からの5球目、右腕新垣が投げた甘い直球を確実に捉えた。左打席での軸回転はブレず、コンパクトにはじき返す姿が大きく、頼もしく映る。

 コンラッド

 打った瞬間に行った感じだったよ。初めてという感じじゃない。何試合か実戦に出て3、4試合、いい形でプレーできている。今日も同じ形で、チームとして打てたね。

 阪神の新外国人が、来日1年目のオープン戦チーム初戦でアーチを架けるのは、10年マートン以来だ。16日の練習試合中日戦でも本塁打を放っており、長距離砲の予感がプンプンと漂う。実戦を重ね、助っ人の魅力が浮き彫りになっていく。めまぐるしく動く試合展開の中で、この日は修正能力の高さを示した。

 1回の1打席目は、左腕武田勝の低めチェンジアップにあえなく空振り三振。3回無死二塁で再戦し、似た高さへの同じ球種を捉えて左前に運んでみせた。力自慢のメジャーに比べ、日本は変化球での勝負も増える。優れた適応力に、指揮官も高く評価した。

 和田監督

 同じ球種を2打席目にヒットにした。あの対応力がね。試合に出るたび、いろんなものを見せてくれている。練習だけ見ると、右打席の方が飛距離も出るけど、左でもあそこまで飛ばせる力がある。

 パワーも備えた新助っ人が6番に控え、新生阪神打線の厚みもグッと増した。こんな男が下位に控えれば相手投手の脅威になるのは間違いない。

 この日、バスで引き揚げる直前には沖縄の少年にバットをプレゼント。日本になじもうと心掛け、ナインにコンちゃんの愛称で親しまれる。「イツモゲンキ、ハジメマシテ、マイド、オオキニ、ボチボチ、コンニチハ…」。習得した日本語がよどみなく出てくる。心優しき力持ちが本気を見せ始めた。【酒井俊作】