ソフトバンク長谷川勇也外野手(28)が23日、宮崎キャンプで前頭部陥没骨折の重傷を負った。守備練習中、額に打球が直撃し、宮崎市内の病院に緊急入院。明日25日に福岡市内の病院で再検査を受け、全治などが判明する。開幕は絶望的で、確実視された「7番右翼」の開幕スタメンは白紙。チームは大打撃を受けた。

 打撃好調の好打者を悪夢が襲った。フリー打撃の打球を捕っていた長谷川は突如、うずくまった。田中トレーナー統括は「落ちている球を拾っている時に打球が当たったと言っていた」と生々しく証言。足元の打球を拾った際に別の打球を額に食らった。歩いてロッカー室に戻ったが、腫れがあったため病院へ直行。前頭部陥没骨折という診断が下った。

 同統括は「脳に異常はなく、意識はあります」と様態は安定しているとしつつも、骨折した場所が脳に近いこともあり、「完治の時期などはこれから。今日は病院で安静にします」と慎重だった。長谷川は1日だけ入院、今日24日に宮崎を離れ、25日に福岡市内で再検査を受ける。

 好事魔多しとはこのことだ。バットを昨年より体の前で構えてからグッと引いて振り出す、新フォームで力強い打球が増えた。広角に打てる打者が、特に今年は右方向への引っ張りを増やし、球団スコアラーも警戒していた。

 例年春先は打撃低調のスロースターター。「この2年でシーズン中に盛り返す部分はある程度、自信ができた」と追い込みに自信を持ち、今年は「スタートをうまく切れば(打撃の)貯金ができる」と開幕ダッシュにかけていた。紅白戦では4戦連続安打。好調堅持し、オープン戦で仕上げに取りかかるはずが、まさかの負傷離脱となった。

 確実されていた「7番右翼」は白紙。全治は不明ながら、現時点で開幕は絶望的だ。秋山監督も「計算できるのになあ。どれだけ時間がかかるか。頭が痛いよ」とショックを隠せなかった。試合は代役の中村が犠飛2本で完封負けこそ防いだが、球団名変更後では“開幕”最多失点で完敗。大きな戦力を失い、弱り目にたたり目だった。