<オープン戦:ソフトバンク2-10西武>◇23日◇宮崎アイビー

 西武が今年の目指す攻撃スタイルを、オープン戦初戦で体現した。14安打のうち単打13本で、10得点をマーク。粘って四球を選び、エンドランや盗塁を絡めた機動力野球が、おもしろいように決まった。中島が抜け、中村を故障で欠く打線がつながり、キャプテン栗山巧外野手(29)が「もう、おかわりはいりません!」と長打頼みからの脱却を宣言した。

 塁上では、相手のスキを狙うハンターのような目がぎらついていた。4回に代走で出場した4年目石川のプレーが象徴的だった。次打者の初球で捕手細川が捕球時にわずかにはじくと、すかさず二塁を陥れた。ヘルマンの適時打で生還した走塁には、河田守備走塁コーチが「相手がベテランだと遠慮しがちだけど、細川を吹き飛ばすようなスライディングだった」と絶賛。打線を勢いづけ、この回4点が入ってダメ押しした。

 足の遅さはチーム屈指の上本も、果敢にチャレンジした。一塁走者として、次打者の左前打で三塁進塁に成功し「レフトが松中さんだったのもあるし、失敗してもいいから前に進めと言われてました」。機動力といっても、足の速さでなく、次の塁を狙う準備と積極性で勝負した。

 日本一になった08年は両リーグ最多198本塁打の強力打線が売りだった。飛ばない統一球の導入もあり、転換期を迎えている。キャンプでは進塁打の練習メニューをほぼ毎日課し、例年以上に意識改革を徹底した渡辺監督は「大きいのはなかなか出ない。今のメンバーだと、こういう野球になっていく」。優勝奪回への道しるべを、しっかりと示した。【柴田猛夫】