<オープン戦:ヤクルト4-3楽天>◇23日◇浦添
涙くんさよなら~♪
楽天小関翔太捕手(21)が23日、オープン戦開幕となるヤクルト戦で一時同点のソロ本塁打を放った。久米島キャンプは1軍スタートだったが、最終日に2軍落ち。沖縄本島に移動した1軍に同行できず、悔し涙を流した。だが、直後に同じ捕手の岡島が故障したことで再び昇格。悲願の1軍デビューへ、4年目捕手がアピールに成功した。
涙の数だけ強くなって、小関が帰ってきた。0-1の5回、先頭でヤクルト赤川の初球、内角直球を振り抜いた。「打った瞬間に入ったと思いました」と、左翼ポール際へ完璧に放り込んだ。4年目でオープン戦出場は初めて。ハイタッチで迎えられた。
もちろん、笑顔だったが、9日前は違った。久米島キャンプ最終日の14日。仁村チーフコーチ、三輪バッテリーコーチに呼ばれると、2軍落ちを意味する「久米島残留」を告げられた。本島移動の荷物整理をしようとした矢先だった。初めて1軍キャンプをつかんだ昨春も、最終日に2軍落ち。またか…。通告を聞くうちに、感情が高ぶった。「悔しかったです。正直、今年は(本島に)行けると勝手に思っていました」。目が真っ赤になり、涙があふれてしまった。
「やってしまった…」。ショックだった。だが、正捕手嶋に「腐るなよ」と言われ、主将の松井にも励まされた。「切り替えました」。出直しを誓った直後、思わぬ形で再昇格を果たす。第2捕手の岡島が右肘痛を発症。5日後の19日だった。星野監督は「(2軍落ちの日は)ポロポロ泣いとったらしい。いいことだ。そういう気持ちを持ったヤツが少なかった。伸びるよ」とニヤリ。気持ちも買って、オープン戦開幕のスタメンマスクに抜てきした。
二塁送球は2秒を切る強肩だが、2軍が続いたのには別の理由もある。朝の練習に遅れることがあった。反省から髪の毛を短くすることも。昨季までヘッドコーチを務め、この日、観戦に訪れた田淵幸一氏は「小関ね。お母さんに電話したんだよ。しっかりやるように言ってくださいってね」。親にまで心配をかけた時期もあったが、開幕1軍も見えてきた。星野監督は「守れるから大丈夫だよ」と期待した。小関は「勝負の年。1試合でも多くマスクをかぶるのが目標です」と力強く言った。涙は、もう流さない。【古川真弥】
◆小関翔太(こせき・しょうた)1991年(平3)9月6日、北九州市生まれ。中学までは内野手と捕手を兼任していたが、東筑紫学園に進学後は捕手に専念。甲子園出場経験はないが、強肩を買われて09年のドラフト3位で入団した。投球を受けてからの二塁送球は2秒を切る速さで、肩の強さはチームトップ。打撃に課題は残すものの、守備の評価は高い。好物は博多ラーメン。181センチ、81キロ。右投げ右打ち。



