<オープン戦:巨人2-1楽天>◇24日◇沖縄セルラー那覇

 不安を一蹴した。巨人ドラフト1位ルーキー菅野智之(23=東海大)が24日、楽天戦に先発。東海大4年時の11年11月2日以来、480日ぶりの対外試合となったが、実戦感覚に狂いはなかった。3回を42球でまとめ、2安打無失点。WBC代表候補だった楽天聖沢を走者に出しても、けん制やセットポジションの工夫を織り交ぜた投球術で一塁にくぎ付けにした。次回登板は中6日で3月3日のソフトバンク戦(東京ドーム)で本拠地デビューを果たす。

 菅野がボールを握ったまま、静止した。普段よりも長く、長く、時間を使った。3回2死一塁。プレートに足をかけたまま動かない。走者を警戒し首だけがピクッ、ピクッと、小さく上下する。「ランナーを出しながらもボールを長く持ったり、首の動かし方のパターンを変えたり。2死だったから走ってくると思ったんですが、けん制とかも工夫しながら三振を取れて良かったです」。走者に聖沢を背負いながら、西田から奪った三振に大きな手応えを示した。

 480日ぶりとなる打者との真剣勝負。1年間の浪人生活では対外試合を禁止されていたため、特徴を把握していない対戦相手との実戦感覚を不安視する声が多かった。だが、ふたを開けてみれば3回2安打無失点。「リズムに乗るためにも初回が勝負だと思っていた」と振り返る。1回先頭聖沢への初球は、この日最速の146キロ直球だった。新外国人マギーにもカーブから入って、最後は内角に沈む142キロのワンシームで空振り三振を奪って滑り出した。

 幸先よくスタートを切った後は、本番を強く意識した内容で不安を一気に吹き飛ばした。1回は18球を要したが、2回はストライク先行の打たせて取る投球で、わずか7球で3者凡退。3回は走者を出してからの適応能力の高さを見せつけ、観戦した祖父で東海大野球部顧問の原貢氏も「今日は80点ぐらいあげていい。前回の紅白戦はタメがなくてリズムが早かった。今日はセットでタメをつくろうとして長く持ったりしていた」と、まさに実戦感覚を特化して絶賛した。

 昨年は、この日使用したスタジアムで東海大の紅白戦に登板。練習着同士の対戦だけしか許されなかった。じっと我慢した1年間を経て、胸に「菅野」と油性ペンで書き込んだ練習着が「GIANTS」のユニホームに変わった。「何とも言えない気持ちでした。1年前を思い出しながらマウンドに上がりました」と、しみじみ話しつつ「寂しい思い出ばっかりじゃない。ただ、このユニホームで投げられて良かったです」。宮崎、沖縄で得た収穫を糧に次は、いよいよ本拠地のマウンドに上がる。【為田聡史】