<オープン戦:日本ハム0-1広島>◇24日◇名護

 日本ハムのドラフト1位、大谷翔平投手(18=花巻東)が、2日連続で代打で出場した。打者有利のカウントから四球を選び大谷本人は反省もしていたが、栗山英樹監督(51)はその判断を称賛。この日は1打席だけの出番となったが、結局、1度もバットを振ることはなかった。午前中にはブルペン入りするなど投手と野手の“二刀流”を満喫した1日が終了し、今日25日は最後の休養日。26日から始まる最終クールに備える。

 プロ2打席目の6球に、大谷の非凡さがぎゅっと詰まっていた。広島とのオープン戦。6回1死、走者のいない場面で出番がやってきた。

 相手投手はプロ5年目の右腕、中田。2日連続で代打として打席に立った背番号11は、初球の外角低めの直球を見送りストライク。3つボールが続き、カウント3ボール1ストライクと打者有利のカウントになった。「投手からしたら、投げづらい場面。(5球目は)真っすぐかな?

 と思った」。投手・大谷の読み通り、5球目は直球。136キロ外寄りの球を見逃して、追い込まれた。「少し低いかな?

 と思ったけど、伸びてきてストライクゾーンに入った。甘かったですし、振れば良かったですね」。結局、バットを1度も振らずに四球で出塁したものの、本人の口からは、反省の弁がもれた。

 ただ、試合後にプレーを確認した栗山監督の感想は違った。「(5球目は)けっこう厳しいボールだったね。何でも振るのは簡単。花巻東で教育されているんだね」と、むやみにバットを振らず、チームプレーにつなげた大谷に感心しきりだ。四球で出塁後には、3度のけん制球にも、故障を恐れずにヘッドスライディングで一塁に帰塁。打者・大谷は「野手なら、みんながやっていること。手から戻らないと、投手にプレッシャーを与えられないですから」。投手としては危険でも、野手として当たり前のプレーを、さらりと振り返った。

 22日に1軍の名護キャンプに合流。「1日1日がすごく長く感じましたし、勉強することが多くて新鮮だなと感じました。バッティングもピッチングも、守備も、実際にすごく勉強になりました」。26日からは、いよいよ最終クールが始まる。日々、新たな才能を見せるスーパールーキーの初キャンプが、終わりに近づいている。【中島宙恵】