<オープン戦:巨人5-7西武>◇19日◇甲府

 西武2年目の永江恭平内野手(19)が、遊撃の開幕スタメンを確実にした。課題の打撃で飛躍的に成長。5、7回に大量点に絡む2安打を放ち、打率は3割2分4厘に上昇した。オープン戦の規定打席に到達し、9位にランクイン。片岡、浅村らとのポスト中島争いで抜け出し、渡辺監督も「一番能力がある」と現時点のレギュラー最有力と認めた。

 打撃は「嫌い」と公言してきた。高卒ルーキーだった昨年、34打席で放った安打はわずか1本。練習も苦痛で仕方なかった。今年の春季キャンプで「僕の顔を見ていれば、これから何の練習が始まるかわかります」と自虐的に言ったことがある。守備の時は笑顔で向かい、打撃になると途端に表情が落ち込んだ。

 今年も実戦スタートから22打数1安打と結果が出ない。トラウマになる寸前だったが、8日オリックス戦の3安打で目覚めた。逆方向への意識できっかけをつかみ、侍ジャパンの井端からもヒントを得た。「WBCの映像を録画して、スローで、こま送りして見ました。井端さんのヒットはしっかりためて、呼び込んで打ってる」。流し打ち名人をイメージして、この日もエンドランを決めるなど左前に2安打した。

 嫌いな打撃が「今は気にならないくらいになりました(笑い)。僕が打てば、得点力も上がると思います」。松井稼、中島がスター選手へと駆け上がった西武遊撃レギュラーの座を、伸び盛りの19歳が勝ちとりそうだ。【柴田猛夫】

 ◆永江恭平(ながえ・きょうへい)1993年(平5)5月7日生まれ。佐賀・鳥栖市出身。海星(長崎)3年夏に甲子園出場し、11年ドラフト4位で西武に入団。守備力を買われ、1年目の昨季は27試合に出場。同年10月3日の楽天戦でプロ初安打。オフはヤクルト宮本の自主トレに参加し、守備の基礎を磨いた。174センチ、77キロ。右投げ左打ち。推定年俸650万円。