巨人原辰徳監督(54)が21日、「阿部いたわり」オーダーを組む方針を明かした。WBCでは主将として戦った負担などを考慮。「4番」に固定せず、機能する打線を構成する。攻守の要と心中するのではなく、生かすことを最優先して開幕に臨む。

 原監督の頭の中に、ぼんやりと開幕オーダーが浮かんだ。DeNAとの試合後、23日から合流する侍メンバーを思い浮かべながら口を開いた。

 原監督

 1番は、やはり長野かなという感じがします。(坂本)勇人も3番かなと思っています。ただ2番、4番、5番、6番の兼ね合いは、(阿部)慎之助を含めた、いい並びができるかなという状況ではあります。

 3年ぶりに日本一を奪回した昨年は8月から「1番長野、3番坂本、4番阿部」を固定したが、WBC組がチームに合流していない現段階は4番だけは固定していない考えを示した。

 「ウチの打線でNO・1だというのは間違いない」と言い切るほど信頼しているが、WBCでの負担を考慮。「主将、4番、捕手」と重責を担って戦ったこともあり、少しでも楽な形でチームに融合させたい意図があるようだ。それがチーム力を最も引き上げることにつながるからだ。「慎之助は4番ができる人だというのは、自他ともに認めるところ。ただ、チームが長いペナントレースを戦う上で、私がそれを投与するか、しないかは分かりません」と説明した。

 米サンフランシスコで行われたWBCから19日に帰国した阿部慎之助捕手(34)は、この日から練習を再開した。ジャイアンツ球場の室内でキャッチボールや打撃練習など。軽めの調整を行った。ペナントレースに向けては「いかに早く切り替えられるか。それしかない。そう言っても、なかなかうまくいかないんだけどね」と複雑な胸中ものぞかせている。

 4番候補には村田やロペスの名も挙がる。原監督は、23日の楽天戦(東京ドーム)から合流する阿部の状態などを見極めた上で、最善の4、5、6番を選択する。【竹内智信】