<オープン戦:中日4-4ロッテ>◇22日◇ナゴヤドーム

 勝てなかった。でも、負けなかった。守道竜が執念ドローで泥沼脱出の兆しを見せた。中日高木守道監督(71)は公式戦さながらの喜びようだ。「よう追いついた。勝ちにつながらなかったけど、半歩前進だ」。オープン戦と笑うなかれ。今の守道竜には黒星のない試合が何よりの良薬。初めて投打がかみ合った内容に意義がある。

 1点リードで迎えた9回、山井が2失点で逆転された。その裏も2死走者なしでムードは9連敗…。だが、この日の攻撃陣には粘りがあった。松井佑が左翼線二塁打を放つと、続く大島洋平外野手(27)が「僕だって勝ちたいと思ってやっています」と左前へ2打席連続の適時打。引き分けに持ち込んだ。

 「今年ポイントになる3人が打ってくれた。いい内容が出だした」。特に監督が喜んだのは、2点差を4回ルナ、6回山崎、7回大島と3本の適時打で逆転したことだ。4番から3番になったルナは8戦ぶりの適時打で、マルチ安打&初盗塁。1軍ボーダーラインだった山崎も成瀬撃ちで「あれなら期待できる」と開幕切符を確約だ。WBC日本代表落選で「彼は傷心の身」としていた大島は、盗塁も決めて完全復活。すべてが待ちに待った瞬間だ。

 投手陣も踏ん張った。開幕前ラスト登板の吉見は悪いなりに5回2失点。崩壊続きの先発をエースが食い止め、武藤→小林→田島→高橋聡とつなぐ継投も決まった。山井は誤算だが、開幕1週間前にやっと戦う形が見えてきた。3時間57分、価値あるドローだった。

 「あと一息。少しずつ上がっていきゃ、29日に間に合うわ」。9連敗阻止は持ち越した。さらにこの日、オリックスが阪神に勝ち、85年以来28年ぶりとなるオープン戦最下位が決まった。だが、光は見えた。今日こそ会心勝利で、開幕滑り込みセーフの臨戦態勢を整える。【松井清員】