<オープン戦:ソフトバンク5-5広島>◇23日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンク森福允彦投手(26)がシーズン開幕へ不安を残した。WBC日本代表での活動を終え、広島とのオープン戦(ヤフオクドーム)でチーム合流後の初登板。いきなり3連打で2点を失い、予定の1イニングを完了できずに降板した。26日ウエスタン・リーグ中日戦(雁の巣)で調整登板を予定しており、29日の開幕へ急ピッチで仕上げにかかる。

 マウンドでの顔が引きつっていた。復帰登板の森福が打たれた。開幕まで1週間を切った段階で、課題が噴出してしまった。「自分の中で確かめながら投げていた。攻めながら結果を残したかったけど…。不安がないと言ったらうそになる。もう開幕が近い。時間がない」。焦りが募った。

 7回から3番手で登板。先頭の広瀬には外角スライダーを右前に運ばれ、菊池にはスライダーが高く浮いて左中間を割られた。続く丸は2球で追い込みながら中前適時打。わずか8球で3連打を浴び、あっという間に2点を失った。2四死球も与え、打者7人に32球、2死満塁の危機を残して降板を命じられた。

 WBCでの出番は2試合のみ。6日の1次ラウンド(R)キューバ戦で1回を投げ、12日の2次Rオランダ戦まで登板機会がなかった。その試合後に左肩痛を訴えた。「久しぶりに投げたので力みすぎたのかも」。シーズンと違って登板間隔が空いたことで、違和感が出てしまった。

 侍ジャパンが成田空港に帰国した19日、他のソフトバンク所属5選手は福岡に戻ったが、森福だけは都内に残って左肩のケアに努めた。そのかいあって違和感は消えたが、不安は消えなかった。「復帰戦で緊張はすごくあった。結果も出ないし、肩の不安もあったし…」。いつものにこやかな顔がどんどん曇った。

 オープン戦はこれが最初で最後の登板。「とにかく試合勘がほしい」と、26日ウエスタン・リーグ中日戦で修正する。「開幕1軍にいられるかも分からない。そのまま下(2軍)にいるかもしれない」と自虐的。過去2年間とも60試合以上に登板。V奪回に不可欠なセットアッパーの復活を祈るしかない。【大池和幸】