<中日5-4日本ハム>◇14日◇ナゴヤドーム

 交流戦白星発進にも、中日高木守道監督(71)が大激怒した。日本生命セ・パ交流戦の開幕戦(対日本ハム)で、7回裏の攻撃前にベンチ内で井端と激しく口論。直前の守備で、同点生還につながった中継プレーの動きを指摘したとみられる。また精彩を欠いている先発カブレラにも「こんなんじゃ試合に出せへん!」と激怒。このままではナインの士気に関わるとして投球の修正を厳命した。最下位からの逆襲へ守道監督が鬼と化した。

 高木監督と井端が激しく口論する場面が、テレビで大映しになった。7回裏の攻撃前の一塁側ベンチ。お互いの感情がむき出しになった。森野が仲裁に入るほどの激しい言い合いで、井端はプイとベンチ裏へ足を向けた。すると監督もそれを追い、7回裏はしばらく指揮官不在の攻撃となった。

 「指摘しただけのことや。そんな(具体的な)ことは言わない」。試合後、監督はそのシーンに関する質問を拒絶した。問題は直前の7回2死二塁の守備で、稲葉に中前打を浴びた場面。その際、同点の生還を許すことになった中継プレーが気に入らなかったようだ。大島からの返球に入ったカットマンがいなかった。どうして井端が入っていないんだ。この監督の怒りに、クラークが入るべきではと井端が自身の言い分をぶつけたようだ。

 監督と井端は前日、ナゴヤ球場で緊急面談をしたばかりだった。不振続きで「あれだけの大選手はどう扱っていいかわからん」と監督が呼んだ。だが10分間の話し合いはスタメン継続の前向きな形で終了。井端も「交流戦に入るので、気持ちを切り替えて頑張りますという話をさせていただきました」と切り替えてこの日に臨んでいた。だが週末の広島戦でも「足が動かん」と指摘していた監督に再び、マグマが噴き上がったようだ。だが試合後は井端も冷静さを取り戻し「クラークが入れないんで僕が入らないといけなかった」と話した。

 監督は精彩を欠き続ける先発カブレラにも「こんなんじゃ試合に出せへん」と激怒した。「みんなどう思う?

 守ってても集中できるか?

 出たら盗塁タダ、真っすぐばっかり、変化球は入らへん。谷繁も大変だし、落ち着いて野球ができるか。明日からの練習でさせえと言ったんだ」。修正できなければローテを剥奪。4勝の勝ち頭でも士気を下げる投球には容赦はしないと厳しい態度を示した。

 とても交流戦で白星発進したとは思えない雰囲気だ。試合後は15分の緊急ミーティングを開催。「足が遅くても一生懸命やってるルナのプレーぶりをみんな見習わなあかん!」とナインを叱咤(しった)した。この日何とか最下位を脱出したが、このままでは浮上できない。主力相手でも遠慮なく、勝って強烈にかぶとの緒を締めた。【松井清員】