<ソフトバンク12-4中日>◇19日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンク内川聖一外野手(30)が完全覚醒した。5打数5安打、自己最多6打点と超爆発。自身初の3戦連続猛打賞をマークし、この間は14打数12安打9打点ともうバットが止まらない。内川にけん引された打線はいずれも今季最多の19安打12点と中日をめった打ち。ヤフオクドームでは中日に12連勝とした。

 意外にも今季初のお立ち台。どこか陰のある笑顔に苦悩の跡があった。「打たなきゃ打たないで悩みますが、打ったら打ったで分割して打てないかと思う」。自身2度目の5打数5安打に加え、3戦連続の猛打賞という“一括払い”。現役最高の生涯打率3割1分5厘を誇るバットマンが漏らした本音は、打撃の難しさを語っていた。

 3回は同点適時打、逆転された直後の4回は2死一から2点勝ち越し二塁打など要所で打った。「若い世代が頑張っている。僕も年を取ってるわけじゃないけど彼らの頑張りをもっと目立たせたい」。自分の前で塁に出た仲間の仕事をフイにし続けてきただけに、1本、1本に思いを込めた。

 この爆発前は3戦連続無安打と沈黙。交流戦直前の西武2連戦で狂った。「涌井に内角をガンガン攻められ、次の日は(菊池に)外の変化球を投げられおかしくなった」。5年連続打率3割を打つ男もマシンではない。悔しくて、控室でものに当たり散らすことも。それでも「悪い時があるから打った時の喜びがあり、もっと打ちたいと思うようになる。イメージ通りのヒットは年間5本くらいですよ」と話していた。

 そんな中、16日の甲子園練習で秋山監督らの助言でひらめいた。「ボールの待ち方、打ちに行き方、力の入れ方。なんかちょっと…と思っていた」。周囲の意見に耳を傾け、ズレをすぐ修正する能力こそ一流の証し。秋山監督も「ウッチーさん、絶好調。すごい。間合いがいいし、自分の形で打っている」とうなった。

 この日はキャンプ地宮崎の協賛デーながら、お隣の大分出身の内川が主役。試合前、同郷の鳥越コーチに差し入れられた大分・臼杵市のせんべいを口にした。「前に差し入れがあった時も成瀬からホームラン。しょうが味です」とちゃっかり地元をPR。内川に引っ張られた打線は19安打12点と中日相手の“フリーバッティング”状態で圧勝。やはりキーマンが打つと、勝つ。【押谷謙爾】

 ▼内川の1試合5安打は、12年4月21日楽天戦(鹿児島)以来2度目。1試合6打点は自身最多。また18日阪神戦8回の本塁打から6打席連続安打。これは12年4月19日オリックス戦から22日楽天戦にかけて7打席続けた自己最長を記録して以来。ちなみに17日4安打、18日3安打、19日5安打と3試合で12安打の固め打ちは、03年高橋由(巨人)6月8~11日に3試合連続で4安打して以来、10年ぶりだ。