<日本ハム6-1ヤクルト>◇22日◇札幌ドーム

 翔平、4連勝頼むぞ!

 日本ハム吉川光夫投手(25)が「お手本ピッチ」で投手・大谷にエールを送った。先発し、7回1死から中前打を打たれるまで無安打(1四球)に封じ込んだ。「今季一番」と本人も納得の8回散発2安打無失点で4勝目を挙げた。

 吉川が、文句なしの投球で大谷にバトンを渡した。不調のヤクルト打線を完全に封じた。今日23日に1軍先発デビューする後輩を勇気づける快投に「負けてしまうと雰囲気も悪くなって(大谷が)投げにくくなる。いい流れで(バトンを)渡せて良かった」。06年高校生ドラフト1巡目の先輩から超大型新人へ最高のはなむけとなった。

 細部まで気を配っていた。20日巨人戦の試合前。マウンド後方に石灰で描かれた北海道地図の位置の変更を願い出た。プレートの真後ろにあったため、投球前のルーティン動作時に、北方領土付近を踏んでしまいそうになるのが、気にかかっていた。球場関係者とともに、位置の修正を入念に打ち合わせて懸念を解消。「まあ、それは…」と、試合後は多くを話さなかったが、今季最長の8回を投げ抜いた。地図もマウンドも、守る姿は頼もしかった。

 2軍生活が続いた頃から、練習や試合内容などをメモする「日誌」を書き続ける。千葉・鎌ケ谷にある2軍の「勇翔寮」でも若手選手に本村教官が11年に導入したが、それ以前から始めていた。同教官は「自己管理は、しっかりできる子」と目を細める。シーズン開幕直後は不調だったが、不断の努力で苦境を切り開いた。惜しくも届かなかったノーヒットノーランは「いつかはやりたいと思う」と、新たな目標に据えた。

 チームを今季2度目の3連勝に導いた。強力な中継ぎ陣にも休息を与えた。「長いイニングを投げると、いい流れが続きますから」。「投手・大谷」の節目を前に、これ以上ないお膳立てを整えた。【木下大輔】