<日本ハム3-3ヤクルト>◇23日◇札幌ドーム
4番のおとこ気が二刀流ルーキーの初黒星を消した。日本ハム中田翔内野手(24)が、痛恨の思いをバットに乗せた。2点を追う8回。外角低めの球に自然に反応した。滞空時間の長い打球は右翼席へ届いた。同点12号2ラン。「早い段階で援護できなかった。申し訳ない」。引き分けに持ち込んだ試合後も、悔しさがこみ上げた。大谷が1軍で先発デビューした試合。勝たせることができず、責任を感じた。
ヤクルトのエース石川の攻略にてこずった。甘いコースの球をミスショットし続けた。「1球で仕留められなかった。あらためて、実力の無さを感じましたね」と、自分を責めた。5回まで力投した大谷を、後押しできなかった。起死回生のアーチが生まれるまで、たぎる思いは空回り。「(チームが勝てなかったのは)あいつのせいではない。よく2点で抑えてくれた」と、後輩をたたえた。
中田が大谷の魅力を肌で感じたのは、3月21日の楽天とのオープン戦だった。WBC日本代表からチームに戻った直後。ベンチから1試合で投手と野手を行う姿を目に焼き付けた。試合後、興奮は冷めなかった。「投げる方のインパクトがすごかった」。この日と同じ、最速157キロの直球に鳥肌が立った。「真っすぐだけで、あれだけ差し込むのは、相当。すげぇ、かっこいい」。野手より「投手・大谷」に鮮烈な印象を植え付けられた。
この日は、左翼を守りながら投球を見守った。「試合はつくってくれた」と頼もしく見ていた。中田の1軍デビューは09年5月23日ヤクルト戦(札幌ドーム)。奇遇にも大谷は同じ日、同じ対戦相手、同じ球場で投手としてプロ初先発した。4年前と違うのは、中田が不動の4番打者に成長し、頼れる先輩になっていたことだった。【木下大輔】




