<中日2-3ロッテ>◇28日◇ナゴヤドーム

 守道竜が痛恨の逆転負けを喫し、4月に続いて5月の負け越しも決まった。2番手田島慎二投手(23)が1点リードを守れず、死球&2点三塁打で決勝点を献上。不振から25日に再昇格したばかりだが、2試合連続の救援失敗となった。チームは12度目の逆転負けで、田島は早くも両リーグ最多の6敗目。昨季大車輪で活躍した豪腕セットアッパーの不振が、借金8のチーム状態を象徴している。

 中日ファンの悲鳴がドームに響き渡った。鈴木の打球は懸命に背走する大島の頭上を越え、右中間を破った。同点の二塁走者に続き逆転の一塁走者まで生還。マウンドでは田島がぼうぜんと立ちつくしていた。痛恨の2点三塁打。今日は勝てると確信した展開で、6回に悪夢が起きた。高木監督も「みんな頑張って抑えとるけど、1つだけ(継投を)間違えたということやね」と肩を落とした。

 「ブルペンではちゃんと投げられたんですが…。あそこで投げられないと意味がない」。田島が悔やんだのは直前、荻野貴に与えた死球だった。カブレラが1点差に迫られて降板し、1死一塁での救援。抜けたスライダーが荻野貴の左手を直撃、ピンチを広げてしまった。生命線の宝刀が抜けること自体が不調のサインだが、続く鈴木への真っすぐもほぼド真ん中だった。

 これで両リーグ最多の6敗目。開幕50試合で中継ぎ投手にこれだけ負けがつくのも異例だ。新人の昨季、56試合登板と大活躍した右腕の不調が、乗れないチーム成績に直結。11日間の再調整を経て25日に再昇格したが、2試合連続の救援失敗で防御率は7・61。昨季の疲労は「関係ない」と言うが、キレも制球も本来の田島の姿ではない。

 高木監督も厳しい表情だ。「よくなってきたと言うからああいう場面でいったけど…。死球に次の打たれ方といい…。まだまだということやないんかな」。試合後は投打別に緊急ミーティングを開催。田島の今後について今中投手コーチは「もう1ランク前、同点か負けてるところで行かせようかな」と、セットアッパー降格の方針を明かした。チームは12度目の逆転負けで、4月に続いて5月の負け越しも決定。田島は責任をかぶるように、「しっかり投げられるように頑張ります」とリベンジを誓った。背番号45の復調が、浮上のカギを握っていることは間違いない。【松井清員】