<阪神0-2楽天>◇29日◇甲子園

 楽天星野仙一監督(66)が就任3年目にして初の貯金5を手にした。「3本の柱」がそろい、阪神に甲子園で2連勝。「投の柱」の田中、「打の柱」のジョーンズ&マギーに加え、この日は「守の柱」である嶋基宏捕手(28)の奮闘が光った。8四死球と乱調だった先発戸村を6回無失点と引っ張ると、1点を勝ち越した直後の6回には、柴田の二盗を好判断で阻止。試合の流れをつかみ、チームを交流戦単独首位へと押し上げた。

 星野監督は試合後、疲れ切っていた。帰りのバスへと、甲子園の長い通路を歩きながら「明日から休養を取ります。胃に穴が10個、あいたから」と笑った。乱調の戸村に「本当に、あのバカ野郎」とボヤいたのも無理はない。

 そんな星野監督が「大きい、大きい。流れを支配する」と褒めたプレーが、嶋の守備だった。1点先制直後の6回無死一塁。続く藤井彰への8球目。カウント2-2で、嶋はミットを外のボールゾーンに構えた。「イチかバチかだった」(嶋)が、ボール球を捕球後、すぐに二塁送球。敵の試みを読み切り俊足・柴田を刺した。

 交流戦から星野監督は嶋に“宿題”を与えた。試合前のバッテリーミーティングで、嶋から直接、投手陣に注意点を伝えさせるようにした。「考えを投手と分かち合わせる」という方針からだ。意思の疎通が濃くなった分、ピンチも乗り越えられるようになった。

 昨季は春先に故障離脱した田中が、今季は開幕7連勝中と「投の柱」は太い。ジョーンズとマギーが新たに加わり「打の柱」もできた。そして、嶋が成長し「守の柱」になった。帰りのバス。最後に嶋が乗り込むと、最前列に座る星野監督は「おお!

 嶋!!」と、甲高い声で手をたたき迎えた。「3本の柱」がそろい、ついに貯金5で交流戦首位に立った。【古川真弥】