<ヤクルト12-2オリックス>◇29日◇神宮

 ヤクルトのオーランド・ロマン投手(34)には、厳しい現実が待っていた。4月19日以来の先発でオリックスを6回1失点に抑えて2勝目を挙げたが、外国人枠の兼ね合いで出場選手登録を抹消される。新外国人クリス・ラルー投手(29)を6月5日の楽天戦で先発させるからだ。ロマンは「状況は分かっている。ただ自分は全力を尽くすだけ」と言った。

 4月25日からは中継ぎに回り14試合に登板。1セーブ2ホールドと貢献したが、ここ2試合で失点すると「みんなに悪いことをした」と、周囲が心配するほど落ち込む使命感にあふれた男だ。だから「しょうがないよね。(外国人)枠があってもなくても良ければ生き残るし、悪ければ落ちるし」と周囲に話していた。

 小川監督も申し訳なさそうだ。「ヒットを打たれながらも1点に抑えたのは評価していい。ただ枠があるんでね。気の毒な面がある」と苦渋の選択を説明した。交流戦は2連戦ということもあり外国人の先発2人はおけない。もちろん再昇格のチャンスはある。「ペナントレースになれば、(不調の)野手との兼ね合いも出てくる」と小川監督は、枠という制限の中での取捨選択を模索していく。【矢後洋一】