<DeNA7-0ヤクルト>◇4日◇横浜

 男なら、やり返す。今季初先発のDeNA須田幸太投手(26)が、プロ初完封を飾った。チームでは三浦に続いて今季2人目。スピンのきいた直球を軸に、ヤクルト打線をわずか3安打に抑えた。負ければ最下位転落の危機を救い「試合中、デニー(友利)コーチから低め、低めと100回くらい言われてたんで(笑い)。1人目の投手と思って、初回から全力で飛ばしました。球威も9回まで維持できたと思う」と121球に魂を込めた。

 序盤の大量援護に、悪夢がよぎった。プロ1年目の11年8月17日、相手は同じヤクルト戦。9点リードをもらいながら5回もたず7失点でKOされ「あの試合をずっと忘れずにいました。ヤクルトにいつか仕返ししてやるという気持ちがありました」。今回は「絶対スキを見せない」と気を緩めずに7回まで1安打。8回に2死二、三塁のピンチもミレッジを二ゴロに抑えた。2年前のふがいない自分に別れを告げた。

 3回には自ら適時内野安打を放ち、波に乗った。10年ドラフト1位右腕の快投に、中畑監督は「待ち遠しかった。お見事でした。打撃がよくて、打者に転向するかという話も出たくらい。監督賞を出します」とご機嫌だった。【柴田猛夫】

 ◆須田幸太(すだ・こうた)1986年(昭61)7月31日、茨城県生まれ。土浦湖北では3年春のセンバツに出場し、優勝した済美に初戦敗退。早大時代は東京6大学リーグ通算8勝3敗。JFE東日本を経て10年ドラフト1位で横浜入団。通算成績は22試合4勝8敗0セーブ、防御率4・99。175センチ、78キロ、右投げ右打ち。家族は夫人。今季推定年俸1300万円。