<阪神3-2DeNA>◇12日◇甲子園
「神撃」6連勝に、阪神和田豊監督(50)も逆転Vへの手応え十分だ。試合の随所に勝利への執念をのぞかせ、DeNA戦もカード勝ち越しとなり、これでセ全球団から貯金をゲット。自身もルーキーイヤーだった85年Vを思い起こす強さ。セ界完全制覇&逆転優勝へ、和田虎が加速していく。
和田監督は猛然とベンチを飛び出した。ダッシュで球審に詰め寄ると、熱く、激しく、抗議した。6回1死三塁、相手の暴投から三塁走者・俊介がホームを突いたが、タッチアウト。微妙なタイミングに見えただけに指揮官も黙っていられなかった。
「初回の2、3点で終わるようなゲームじゃなかったんだけどね。メッセが尻上がりに調子を上げて、何とかいってくれた」
2回以降、追加点が奪えず、じりじりした展開だった。6回の場面では藤井彰にスクイズのサインも出した(結果はファウル)。1点をめぐって、勝利をめぐって、執念がほとばしった。
正念場と位置づけた球宴前最後の6連戦、試合前、和田監督は日本一となった85年を引き合いに出した。
「最後の6つをどう締めるか。確か85年がこんな感じだった。最後4ゲーム差で、3にして終わるか。3になった時、これでいけるという気持ちになった。ゲーム差なんかは、あの時と似ているよね」
85年は球宴前最終カードが首位広島との3連戦だった。2ゲーム差の2位で迎えたが、2戦落として4ゲーム差。ただ、最後に11対4と打ち勝って3ゲーム差で球宴期間へ。チームは「3」という差を射程圏ととらえ、見事に逆転優勝を果たした。新人ながら39試合に出場した和田監督は当時の空気をよく覚えていた。
「(差が)開いて終わるか、縮めて終わるかで全然違う。全部勝つつもりでいくしね。何勝何敗とは計算しない。選手だって負けるつもりでいかないから」
予言通りにまずは初戦を取った。巨人を完全に射程圏内にとらえた。総力で前半戦のヤマ場を戦い抜く。【鈴木忠平】
◆阪神リーグ優勝年の前半戦折り返し
和田監督が現役時の85年、2ゲーム差で首位広島を追う2位阪神は、球宴前最後のカードで首位攻防戦に臨んだ。7月16、17日(広島)に連敗し4差に後退。だが岡山に移っての18日、バース、掛布のアベック本塁打などで11-4と大勝。3差に戻し、優勝戦線に踏みとどまった。後半戦開始後、8月7日に首位に立った。10日間で陥落したが、同27日に1位を奪還し、そのまま優勝を飾った。他のリーグV年のうち、前半戦終了時の首位ターンは62、03、05年の3度。64年は首位大洋から6・5差の2位だったが、後半戦で巻き返し逆転優勝を飾っている。



