<中日1-0巨人>◇13日◇ナゴヤドーム

 首位巨人が走塁ミスで負けた。0-1の6回1死満塁。石井の左中間への飛球に二塁走者の阿部慎之助捕手(34)が飛び出して併殺となった。その直前の6回無死一塁で、阿部の右前打で一塁走者の坂本が二塁で止まってしまった。スキが目立って完封負けした。

 巨人にとっては、VTRで確かめてほしいプレーだったかもしれない。1点を追う6回1死満塁。代打石井の中飛で、二塁走者の阿部が飛び出してしまった。三塁走者の坂本はタッチアップで本塁を狙う。あまりにも大きく飛び出した阿部に、中日大島も二塁への返球を急がない。すると、阿部が帰塁できずに二塁でアウトになるのと、坂本がホームを踏むのが、微妙なタイミングになった。

 坂本の方が早ければ、同点に追いつけたところだった。ベンチの川相ヘッドコーチも「坂本の方が早かったように見えた」と振り返ったほど。だが、白井球審は「二塁のアウトが早かった」と坂本のホームインを認めないことを、身ぶりで示した。

 まさかの走塁ミスを犯した阿部は「オレの判断ミスです。抜けると思った。ハーフウエーで、1回、目を切ってしまった。沢村が頑張っていたのに、申し訳ない」と猛省した。また、坂本は中日大島の緩慢なプレーに乗じて、阿部のミスを取り戻すチャンスだったが、本塁生還はわずかに遅かった。試合後、大西外野守備走塁コーチが、あらためて審判に確認したものの、二塁の方が早いという判定に変わりはなかった。

 走塁ミスが重く響いた試合。原監督が問題視したのは、このシーンの直前の場面だった。6回無死一塁で阿部の右前打で、三塁まで進めなかった一塁走者の坂本についてだ。「あそこはライトも深く守っていた。攻撃的にいかないと。ちゅうちょしていてはいけない。(坂本)勇人はウチの1位、2位のランナーなんだから」と注文をつけた。いずれにしろ、勝負のあやとなったのは走塁だった。試合後、投手、野手を含めた3人ずつの入れ替えを決定。前半戦首位ターンに向けて、チームバランスを整えた。【竹内智信】