<阪神3-6巨人>◇15日◇甲子園
まさかの立ち上がりだった。阪神能見篤史投手(34)が、いきなり出ばなをくじかれる形となった。初回、先頭の中井をあっさり打ち取ったが、2番寺内に対し、フルカウント。7球目が外れ、四球を与えると甲子園に不穏な空気が漂った。続く坂本にも、ボールが先行し、四球。スタンドからはうめきのような、低い声が漏れる。落ち着け能見-。
しかし虎党の願いむなしく、さらに暴投で二、三塁。阿部は三振に斬ったが、長野にも再び四球を与えてしまう。3つの四球で2死満塁。続く村田には、センターオーバーの二塁打を許し、走者一掃。能見らしからぬ展開で、一挙に3点先制を許した。5回には阿部にソロ弾を浴び、6回には守備の乱れもあり1点を加えられた。6回5失点。「初回の3つのフォアボールがもったいなかったです。慎重にはなってないけど、ヒット1本で3点入ったから…」。エースは言葉少なにクラブハウスへと消えた。
今季の能見は「巨人キラー」として本領を発揮してきた。この日まで4試合に先発し2勝1敗、防御率も1・97と抜群の相性を見せている。これまでもすべての巨人戦で初戦を任されてきたエースにチームの命運が託された。今回は中5日のマウンドになるため、通常は登板2日前に行っていたブルペン投球も行わなかった。「中5日なんでね。暑いですし。いろいろ考えてやってます」。その分は遠投を増やすなどし、補った。勝つために何ができるのか。ベストを尽くしたが、非情な結果が待っていた。
中西投手コーチは「ブルペンの中で、微妙なずれがあった。気持ちで丁寧にというより、コントロールのずれが出てしまった」と明かす。どうしても取りたかった初戦。エースの気合は勝利に結びつかなかった。【山本大地】



