<阪神3-6巨人>◇15日◇甲子園

 追撃してくる虎をたたき落とす一撃だった。巨人阿部慎之助捕手(34)が超満員の甲子園を静まらせた。1点リードの5回2死。阪神能見の直球を右中間の最深部に放り込んだ。フルカウントからの10球目。「狙ってもいいケース。振りすぎてミスショットが多かったからね」と、真ん中低め143キロ直球を白木のバットに乗せた。

 前半戦の最終カードの首位決戦。3連敗中のチーム状況だっただけに格別だった。「どっちのチームにとっても次の1点が大事だった。絶対に負けられない試合だったからね」と、試合の流れの中で貴重な追加点だったと自負した。

 3連敗した中日戦の直前のヤクルト2連戦は、連勝した。だが、阿部には気がかりなことがあった。10日のヤクルト戦は5点をリードしていた8回に2四球と2安打で2失点。9回にも満塁のピンチを招き、一打同点の追い上げムードをつくられ「勝てる試合はスパッと勝たないとダメ。負けたような雰囲気になってしまった」と、反省を口にしていた。同時に抱いた危機感は的中。直後の中日3連戦で13日の中日戦では走塁ミスで同点、勝ち越しの好機をつぶすなど、3連敗を喫した。

 負の連鎖を断ち切るために主将が「絶対に負けられない」と位置づけた一戦。終始リードする試合運びで連敗を止めた。「こういう試合で勝てる力がある。みんな、もっと自信を持ってやっていけばいい」と、うなずいた。虎を突き放す一戦で貴重な一撃だった。【為田聡史】