<広島3-0中日>◇15日◇マツダスタジアム

 広島野村祐輔投手(24)が、中日戦9度目の登板で初勝利を挙げた。1回2死一、三塁のピンチを切り抜けると、尻上がりに調子を上げた。プロ初完封こそ逃したが、8回5安打無失点で5勝目。ゴロアウトは17個で、打たせて取る持ち味を発揮した。チームも3位タイに浮上し、球宴休みまでの残り2戦で1勝すればAクラスターンが確定する。

 ついに天敵を封じ込めた。野村が迎えたピンチは、1回のみ。2死一、三塁の場面で、平田を外角141キロ直球で二ゴロに打ち取ると、テンポを上げる。完投した前回9日DeNA戦(横浜)で130球を投げて、中5日での登板にもかかわらず「何も体調は悪くなかった」と、ゴロの山を築き上げた。24個のアウトの内、17個がゴロアウト。8回5安打無失点でプロ初完封こそ逃したが、9度目の対戦でついに中日から白星をもぎとった。

 野村

 (打たせて取る投球に)これが僕のスタイル。(中日戦での勝利は)次につながると思います。

 試合後も安堵(あんど)の表情を浮かべた。本音もこぼれた。右肩の故障で2軍落ちも経験した序盤を、「不安もあった」と振り返った。そんな中でも、「去年の僕と比べることはない。今の状態で何ができるか」という信念だけを貫いた。輝きを取り戻した右腕を、野村監督は「コントロールも、キレも今年1番の内容だった」とたたえた。

 1週間前に、楽しかった日々を思い起こしていた。8日に、マツダスタジアムで日米大学野球選手権が行われた。明大2年と、4年時に参加した大会だ。「アメリカとやったことよりも、日本代表で戦えたことが思い出です。めったに集まれない人が集まったことに価値がある」。

 当日は遠征地の横浜に移動しなければならなかったが、指名練習後に日本代表が到着するまで球場で待ち続けた。代表監督を務めていたのは、明大善波監督だった。恩師との再会で初心を思い起こした。

 昨季は後半戦に疲労の蓄積もあり、2勝8敗と大きく負け越した。だが、それも過去の話。前半戦で苦しんだ2年目は、5勝目を挙げたここからが見せ場だ。【鎌田真一郎】