<広島2-3中日>◇16日◇マツダスタジアム
広島丸佳浩外野手(24)の1発が均衡を破った。0-0の6回無死一塁から、右翼スタンド中段に飛び込むチームトップの7号2ランを放った。「初めて」と言うほどの手応え十分の1発だった。だが、チームは「勝利の方程式」が崩壊し、逆転負けで4位に転落。球宴前最後の一戦でリベンジし、前半戦Aクラスを決める。
丸の完璧な一打が、沈黙を切り裂いた。投手戦の様相を呈していた6回。先頭菊池が出塁すると、「キクマル」コンビの本領発揮だ。菊池の足を警戒する西川は制球が定まらずボールが先行。3ボール1ストライクとバッティングカウントとなった5球目は、スライダーが甘く入ってきた。
「空振りしてもいいと、強いスイングをした。打った瞬間に行くと思ったのは初めてでした」
ボールを体の前まで引きつけて振り抜いた打球は、右翼スタンド中段に飛び込むチームトップの7号2ランとなった。7月3日中日戦(ナゴヤドーム)以来の1発が、試合を大きく動かした。
球宴に初出場する成長株に、総帥も高い評価を与えている。松田オーナーは、ぶれない心を持ちながら高い吸収力を持つ姿を、果物の桃に例える。
「桃みたいに、指を入れればズブッと行くが、芯は硬い。打撃の見本は前田(智)だが、新井コーチの理論にも付いていって、走塁は石井コーチのことをよく聞いている」
走攻守すべての面で偏りなく成長し、選手としてのスケールが大きくなっている。
だが、8回に痛恨のミスを犯した。先頭で右前打を放ったが、続くキラの打席で盗塁を失敗した。野村監督は「(マドリガルは)クイックが早いという話はしていた。根拠があったのか、やみくもなのか、指導しないといけない」とターニングポイントに挙げた。
一時はつかんだ流れも、今村とミコライオの乱調で手放した。借金12を抱え、4位に転落した。だが、球宴前最後の一戦には、前半戦3位ターンの可能性が残っている。【鎌田真一郎】



