<阪神9-6巨人>◇17日◇甲子園
阪神が前半戦最終戦を意地の白星で締めくくった。首位巨人に連敗を喫して迎えた第3ラウンド。1点差に迫られた直後の7回に、負傷欠場した大和の代役2番、俊介外野手(25)が、貴重な適時打を放った。チーム一丸で、打線は16安打の猛攻。4回以外は毎回得点を重ね、今季巨人戦では最多の9得点を挙げた。和田豊監督(50)の勝利の執念がにじむ采配で、2・5ゲーム差に踏みとどまった。後半戦の巻き返しへ価値ある白星をもぎ取った。
最悪のシナリオは免れた。阪神和田監督は、さすがに安堵(あんど)の表情だった。「冷や汗かいたわ~。甲子園で絶対に3連敗できない」。初回から得点を積み上げた楽勝ムードも、7回に連日の大量失点。宿敵の粘りにヒヤリとしながら、巨人戦の連敗を4で止めた。甲子園での同一カード3連敗は99年が最後。14年ぶりの屈辱はゴメンとばかりに、ガムシャラに大きな1勝をつかんだ。
和田監督
しんどいゲームでしたね。ずっと、いつひっくり返されるかと思いながらだった。昨日ああだったから1点でも多くと。1点1点積み重ねたけど、簡単にはいかないね。これが(ゲーム差を)4・5と2・5に縮めるのではかなり違うからね。後半戦への入っていき方も、精神的にも。いろんな意味でね。
総力戦だった。前日16日は7回に8失点して逆転負けした。開幕から全試合先発していた大和も、右手中指負傷でベンチ外。代役俊介がイキイキと躍動すれば、ベンチも攻めた。1-0の2回無死一塁では、藤井彰に初球をバスターエンドランさせて好機拡大。6-1の6回無死一塁では俊介にバントを指示して、7点目につなげた。結果的には失敗したが、開幕投手のメッセンジャーも中継ぎ起用。懸命に1点を、勝利を追う姿がナインにも届いた。
勝つか負けるか。シーズンのポイントだった。入団1年目の85年、新人で優勝を経験した和田監督も当時の記憶が重なる。広島との首位攻防戦、球宴前の最終戦を奪って後半戦へつなげた。試合前のミーティング。冷静な指揮官は静かに、それでいて熱く訴えた。
和田監督
開幕から打倒巨人でやってきた。勝ち越していないのは巨人だけだ。今日取って、何とか終わろうや。甲子園で、ジャイアンツに3連敗するわけにはいかないんだ。
借金20の5位で終えた昨季から一転、貯金13で球宴を迎える。福留の故障離脱を、今成や坂、俊介らがカバーしての2位ターン。指揮官が掲げた「3C」のように、チャンスでチャレンジしてチェンジして、驚異のV字回復を見せた。「チーム全員で結集した力が、貯金になって出ている。後半戦も1つ1つしっかりと戦いながら、最後はジャイアンツの上にいけるように」。巨人との一騎打ちを見据えて手応えは十分。虎将和田豊はチャンピオンフラッグだけを見ている。【近間康隆】



