<広島2-4中日>◇17日◇マツダスタジアム

 中日平田良介外野手(25)が守道監督の72歳の誕生日を逆転満塁ホームランで飾った。2点を追う8回2死満塁で横山からグランドスラム。守道監督はベンチ前まで飛び出して大喜びだ。チームは前半ラスト6試合を5勝1敗で飾り、借金は5日以来の1ケタ。しかも単独3位締めと最高のバースデーになった。後半の巻き返しへ、勢いがついた。

 打球は右翼後方にグングン伸びた。だが丸もフェンスいっぱいで捕球態勢を整えた。3アウトで無得点、負けか…。だが平田の執念が乗り移った打球は、ジャンプした丸のグラブの数10センチ先を越えた。平田は雄たけびのガッツポーズ。興奮した守道監督もベンチ前まで飛び出して大はしゃぎだ。プロ8年目で初の満塁弾が大逆転劇を演出。守道監督の72歳の誕生日を飾る、ビッグなプレゼントだ。

 「気持ちいいですね。試合中喜ぶタイプじゃないけど初めて喜びました。今日は監督の誕生日だったので」。チームを救ったヒーローはとびきりの笑顔だ。バリントンに7回0封され、8回も1死満塁まで攻めたが和田が初球を打ち上げ遊飛。もはやこれまでかの雰囲気が漂った。だが平田には人一倍の気迫があった。今季は開幕から33打席無安打の“1人ノーヒットノーラン”で2軍落ち。開幕ダッシュに失敗する要因になった。「僕は取り返していくしかないので」。監督にも迷惑をかけた。ありったけの思いをバットに込め、前半最終戦で恩返しした。

 高木監督は「ハッハッハ!」と高笑い。昨年は同じ広島戦で岩瀬が2点リードを守れず、逆転サヨナラ負けしてバースデーが暗転したが今年は最高の誕生日だ。「今の平田は期待できるラッキーボーイだ。ホームラン打てと祈ったけどまさかねえ。でも伸びるんだよ。彼の右方向は」。キャンプからキーマンに挙げ、復活を待ったかいが最高の形で報われた。

 借金は5日以来の1ケタに減り、単独3位でのターン。「最後の6試合が3勝、2勝1敗だもん。こういう勝ちで締めくくれて、後半いいスタートが切れる感触が持てたのは大きいね」。誕生日につかんだ逆襲への手応えは十分だ。「正直、上の2つのチームの姿はまったく見えません。ただ巨人や阪神とやる時は絶対勝たなきゃいけない思いでやる。2チームを倒すことなくしてうちの調子が上がっていくことはない」。監督が表情を引き締める横で、山崎が「カンパーイ!」。前日の指揮官をまねて喜ぶと、谷繁も「カンパーイ!」。最後に平田が言った。「上には2強がいるけど勝って差を縮めたい!」。みんなネバーギブアップ。反撃の後半戦へ、再開が待ち遠しい。【松井清員】