<ロッテ7-3ソフトバンク>◇17日◇QVCマリン
目覚めた大砲は止まらなかった。先頭で迎えた5回、ロッテ・クレイグ・ブラゼル内野手(33)が内角高め142キロを振り抜くと、打球は雨空を切り裂いて天高く舞った。高さ30メートル地点にある、右翼照明下のボードに直撃。推定飛距離150メートルの特大弾でダメ押しの7点目を加えた。「ファンも僕に期待しているのはホームラン。手応え十分だったよ」と規格外の1発を振り返った。
2打席連発弾だった。3回にも逆方向へ2号ソロ。試合中の降雨に「5回終了もあり得る。だからファーストストライクを打ちにいったんだ」とクレバーな一面を見せ、いずれも初球を仕留めた。6回の空振り三振には「さすがに3本は続かなかったね」とおちゃめに笑ったが、2本で残したインパクトは十分だった。
陽気なムードメーカー。一方で凡退すると1人ベンチ裏へ向かい、配球をチェックする勤勉さも持ち合わせる。伊東監督が「長く日本でやってたから、習慣づいているみたい」と感心するほどだ。前カードまでは手探りの当てに行く打撃だった。しかし、前日に移籍後1号が出たことでスイングから迷いが消えた。
この日は打率、打点、本塁打ともにチームトップの井口が欠場。「戦力的に痛い」と指揮官も嘆いていたが、デビューから8試合連続安打&2戦3発の頼れる助っ人が、その穴を埋めた。ブラ砲にけん引され、打線は先発全員の14安打。前半戦を連勝で締めた。
1号アーチを放った時、ブラゼルの愛する家族はディズニーランドを満喫していた。だがこの日は、愛妻も息子も最後まで観戦。「昨日はアパートに帰ったらもう眠っていた。今日は見てくれてよかったよ」。ヒーローは試合後、パパの顔で笑った。【鎌田良美】



