<阪神9-6巨人>◇17日◇甲子園
虎党を歓喜させる猛攻を引き出したのは、新井貴浩内野手(36)だった。初回。2死一、二塁で中前適時打。2試合連続の先制タイムリーで、前夜にまさかの逆転負けを食らっていたチームに勢いをもたらした。後半戦も、この男を中心にG倒へ一丸となる。
痛烈なゴロで二遊間を抜いた。二塁走者俊介のホーム生還を確認すると、新井は一塁ベース付近でバシッと両手をぶつけ合わせた。何が何でも勝つ!
主砲の鬼のような形相が、虎ナインの思いを代弁していた。
「基本はセンター返しでね。球が荒れているし、動いてくる。最初から引っ張りにかかったら、引っかけてしまうからね」
試合前の時点でチームは今季、宮国と4試合対戦し、防御率1・78に抑え込まれていた。ストレートだけでも球速差があり、ボールが動く。「(指に)かかっている時はビュッと来るし、かからない時も沈んだり動く。難しいと言えば難しい」。右腕の特性を見極めた上で、新井はセンター返しを強烈に意識した。
初回2死一、二塁。高めスライダーに逆らわず、力強くバットをぶつけた。先制の中前適時打でチームを勢いづかせた。3回は先頭で中前打を放ち、7番坂の中犠飛で生還。5回1死一塁では2番手田原誠からの右前打で好機を拡大し、6番今成の左犠飛をお膳立てした。5月12日ヤクルト戦以来の猛打賞が虎のエネルギー源となった。
今季は出場80試合で32四球を選んでいる。昨季は122試合で30四球。すでに2個上回っている。これは慢性的な痛みを抱えていた右肩が回復している証しでもある。ストライクゾーンから外れていく変化球に対し、振りにかかったバットをグッとこらえる。今季何度となく見られるシーンはオフに励んだ地道で長いリハビリのたまもの。「もちろん、その影響はあると思う。去年は(バットを止めようとしても)ズキッと痛みが来ていた。今年はそれがなくなったから」。ボール球の見極めが好球必打につながり、新井は主砲としての立場を取り戻した。
前夜は先制打を決めながら、3点リードの7回に一挙8失点して大敗していた。もう負けられなかった。なんとしても欲しかった先制点を力ずくで奪い、前半戦最終戦に勝利。「勝ってよかった。また後半戦に向けて、しっかり準備したい」。4戦連続安打と好調をキープし、首位巨人に2・5ゲーム差で球宴へ。新井は充実感たっぷりに汗をぬぐった。【佐井陽介】



