プロ野球「マツダオールスターゲーム2013」は19日、札幌ドームで第1戦(午後7時5分開始)が行われる。全パ・リーグを率いる日本ハム栗山英樹監督(52)が、第1戦の豪華投手リレーを明かした。先発は開幕から13連勝中の楽天田中で、2番手に日本ハム吉川、3番手に大谷、4番手に菊池を投入する構想だ。大谷は降板後は右翼の守備に就き、菊池と一緒にプレーさせるプランだ。「二刀流」をフル活用する前代未聞の盛り上げ策で、2人の初舞台を粋な演出で彩る。

 菊池と大谷が、一気に交わることになった。自身も初めて指揮を執る全パ栗山監督は、ファンにとっておきのプレゼントを用意していた。岩手にとどまらず、全国を沸かせたスーパー球児。スポーツキャスター時代からチェックし、思い入れある2人が迎えるプロでの節目に、粋な演出を用意した。「(大谷)翔平が投げて、その後で(菊池)雄星にいってもらう」。先発は楽天田中で2番手は日本ハム吉川、続いて“花巻東リレー”を敢行することを明かした。

 オンリーワンの大谷の特性を生かし、最高の演出も追求していた。大谷降板後は菊池のバックで右翼守備に就かせ、打席にも立たせる考えだ。年齢は3歳違いで、高校は入れ替わり。一緒にプレーできず、プロでもライバル球団へ進んだ。日本代表などでは今後可能性があるが、最初の機会が今回の球宴となる。栗山監督は「翔平も雄星が投げているところで守りたいと思うから」と思いを酌んだ。

 菊池は、かねて同じ試合でともにプレーすることを熱望していた。大谷も18日、最初で最後かもしれないチャンスを大歓迎した。「僕が高校に入るきっかけになりましたし、すごい投手。楽しみです。雄星さんの後ろを守ることはもうないと思う」と話した。田中、吉川が2回ずつの登板予定で5回以降に実現しそうだ。栗山監督の愛情満点の一手が、2人の縁を強く結ぶ。【高山通史】