巨人渡辺恒雄球団会長(87)が原辰徳監督(54)に来季の続投を要請する考えを示した。18日、都内で取材に応じ、首位で折り返した前半戦の戦いを振り返り、采配ぶりを絶賛した。今季で契約が切れる指揮官に対し「Bクラスにならん限り続投だろう」と、来季も指揮を託す意向を明らかにした。

 渡辺会長が、原監督の続投方針を鮮明に打ち出した。前半戦の采配を絶賛した上で、来季の契約について「日本一になればもちろん、セ・リーグ優勝でもそうだよ。よほどボロ負けしなければね。Bクラスにならん限り続投だよ。Bクラスになる可能性はまずないけどね」と話した。クリアすべきハードルを示したが、現状のチーム状況を考えれば、続投要請することが確実になった。

 2度にわたる計10年の就任期間の中でも、今年の采配を高く評価している。「今までと違って厳しくやったろう?

 村田を2回で代えたり、ああいうことを彼は昔は絶対できなかった。死に物狂いになるとやれるんだね。彼の非情の、情け無用の采配、これが今年の巨人を鍛えた。実力以上の成果を挙げた」。5月26日のオリックス戦で初回の守備で失策、攻撃で3球三振を喫した村田を交代させた例を挙げて、絶賛した。

 渡辺会長の中では決して突出した戦力を保有していないと感じている。「ものすごいスーパースターは阿部ぐらいだろう。長野も途中から(好調)で、中井も途中から(活躍した)。終始一貫、スーパースターは阿部ぐらい。そういう戦力の中で首位ターンというのは、やっぱり原の采配、人の使い方、用兵だよ」と賛辞の言葉は続いた。

 好調なチームに対して注文も忘れなかった。「2・5ゲーム、やっぱりハラハラするよ。連勝を繰り返し、時々、休みはいいけどさ。危ないよ、中日に3連敗。マンションの窓から飛び降りようかと思った。阪神に2連勝して思いとどまったけどね。もうこんなハラハラが続くと心筋梗塞を起こすよ。君たちも気をつけろよ」と最後まで、冗舌だった。

 球宴後には指揮官から前半戦の報告が渡辺会長へ行われる予定。来季の続投に向けては原監督の意向確認も必要になる。だが一足先に、渡辺会長が続投を熱望した。