<オールスターゲーム:全パ1-1全セ>◇第1戦◇19日◇札幌ドーム

 155キロも出ちゃった。全パ先発の楽天田中将大投手(24)が、2回打者6人をパーフェクトに抑えた。先発した16日オリックス戦から中2日だったが、16球中11球が150キロ以上。ヤクルト・バレンティンに今季最速タイの155キロをマークするなど、疲れを感じさせない力投だった。前半戦無傷の13勝を挙げた実力を存分に発揮した。

 田中はブンブン腕を振った。阪神西岡への初球、いきなり152キロをマーク。これが剛球ショーの始まりだった。3番のヤクルト・バレンティンへの初球は「力が入りました」と、今季最速タイの155キロを計測。セ・リーグの本塁打数トップの強打者に力で勝った。2回を無安打無失点。「スピードは出てましたね。まさかこれだけ投げられると思っていなかったので、ビックリです」と本人も予想外の完全投球だった。

 計16球のうち、11球が150キロを超えた。シーズン中はピンチになれば力をいれるのが投球スタイルだが、「短いイニングだったので、いけました」と1球目から全力だった。16日の先発から中2日で登板という過密日程だったため、試合前までは「無事に終えることしか考えてないです」と珍しく弱気な発言を連発。終わってみれば、圧巻の内容と結果に「逆にそれが良かったのかもしれないですね。こんなに(球宴で)パーフェクトに抑えたのは初めてですよね」と笑った。

 100%の状態ではない中、いかに魅せるかが問題だった。そのため球宴までの2日間は心身とも休養に努めた。16日の登板翌日は約2時間、マッサージで肩や肘をケア。通常ならするウエートトレーニングもしなかった。休養たっぷりでマウンドに上がった。

 そして、自分らしさを貫いた。2回、ブランコへ3球連続で直球を続けた後の4球目だ。捕手のオリックス伊藤が出したサインに首を振った。「自分の最大の武器なので、それを見せないのもどうかと思った」とスプリットを選択し、難なく空振り三振。直球で押し、最後はスプリットで三振を奪う。これぞ「田中将大」だった。

 前日18日は母校の駒大苫小牧を訪れ、夏の甲子園を目指して南北海道大会で4強入りした後輩を激励した。「土曜日(20日)が準決勝なので、僕も頑張っているところを見せたい」と意気込み、第2の故郷の北海道でベストパフォーマンスを見せた。「投手が賞をもらうのは難しいですよ」と話していたが、敢闘選手賞を獲得。「気持ち良く投げられました。点を取られなかったのは良かったです」。前半戦で無敗の13勝。無敵のマー君はオールスターでも健在だった。【斎藤庸裕】