<オールスターゲーム:全パ1-1全セ>◇第1戦◇19日◇札幌ドーム
虎のニュースター西岡が大舞台で輝いた。「マツダオールスターゲーム2013」第1戦が行われた。阪神西岡剛内野手(28)は全セの1番二塁で先発出場。4回に左前安打を放ち、5年ぶりの球宴安打。6回には盗塁も決めるなど球場を沸かせた。
猛虎の誇るリードオフマンが北の大地で躍動した。西岡の魅力が詰まった球宴第1戦だった。見せ場を作ったのは6回だ。二塁走者として1死後、バレンティンの左飛でハーフウエー近くまで進む。打球を捕ったのは日本ハム大谷だ。一目散に帰塁する。剛腕の二塁送球もうなりを上げる。体勢を崩しながらも、間一髪セーフ。大型新人に苦笑いを浮かべるしかなかった。
胸をなで下ろし「こういう舞台で、ああいうことをしますから。スター性がある選手。アウトにならなくてよかった」と絶賛。スター集団のなかでも、まばゆく輝いた。大エース田中に圧倒された試合序盤のムードを一変させたのも背番号7だ。1点を追う4回。これまでの3回を完璧に抑えられていた状況で先頭の打席へ。日本ハム吉川と対戦だ。4球目の外寄り150キロ直球を正確にミートすると、左前に運んだ。
「オールスターですけど、重苦しい感じがあった。2打席目にポンとヒットが出て(5回以降)みんなにもヒットが出て良かったと思いますね」
全セ初安打を刻み、打線の沈黙を消した。自身は08年以来、5年ぶりの球宴安打だった。シーズン中はグラウンドで険しい表情を崩さない。だが、この日は柔らかい笑顔だった。そのなかでも真剣勝負を貫く。6回には四球で出塁。日本中の野球ファンにスピードも見せつけた。1死後、バレンティンの初球に動く。一塁のアンツーカーから人工芝に左足を移す。ありったけの重心を二塁方向に傾け、一気に加速だ。二盗に成功し、得点圏に進んだ。
5月ごろから左膝を痛めて、14日DeNA戦(甲子園)でも同箇所に自打球が直撃していた。足の状態は決して万全ではないが球宴でも白星に貪欲になる。「勝ちに行きたかったですからね。前の塁を狙っていきました」。二塁に達すると、直後には三盗も敢行。ファウルで幻となったが、笑顔があふれ、思う存分、緑のフィールドを駆けた。
試合前は、打撃練習を終えた楽天松井のもとに歩み寄り、あいさつした。中学生の頃から憧れていた存在と肩を並べる。夢は実現させるためにある。背中で、そんなメッセージを伝えていた。試合前には全セの巨人原監督と打撃ケージ前で話し込む。試合中は四球で出塁した際、一塁を守る大阪桐蔭の後輩・日本ハム中田にぶつかりに行く。堂々と、力強く。スターの振る舞いだった。【酒井俊作】



