<ヤクルト0-12阪神>◇24日◇神宮

 2位阪神も負けていない。前半戦でレギュラーを失いかけていた新井良太内野手(29)が、9号2ラン、10号満塁弾と6打点の大暴れ。新井良は今季3本目のグランドスラム。打線は9安打で12得点と、派手な後半戦のスタートを切った。巨人も4発8点で勝ち、2・5ゲーム差は変わらないものの、首位どりへ勢いづいたことは間違いない!

 新井良は鬼の形相で二塁ベースを蹴った。「途中で打球を見失って…」。その瞬間にはもう、早くも今季3本目の満塁弾が左中間席に突き刺さっていた。「(3本目に)ちょっとビックリしている」。7点リードで迎えた7回2死満塁。10号満塁弾で勝負を決めた。真夏の神宮では虎祭りが始まっていた。

 後半戦開幕試合。7番三塁で3戦ぶりに先発した。前半戦終盤は不振に苦しみ、坂に出番を譲る場面が増えていた。「坂が出て流れが良いのに、出してもらった。意気に感じていた」。3点先制した直後の初回2死二塁にも、9号左越え2ランを放っていた。自身初の1試合2発で6打点の大暴れ。2年連続2ケタ本塁打を達成した。

 左太もも裏負傷から1軍復帰した直後の4月下旬、珍しく和田監督から怒鳴られた。三塁守備でゴロに中途半端な動きをした後のベンチ。「ボールが怖いんか!」。愛情のこもった一言が心にグサリ突き刺さった。「確かに無意識のうちに足を気にしていたのかも。怒ってくれて感謝している」。翌日の甲子園練習中、2人きりの空間で諭された。「ファンはオマエの思い切りいいプレーが楽しみなんだ。俺もそこに期待して出している」。目が覚めた。

 もともと努力型。広島の強豪・広陵高時代は日々猛練習に明け暮れながら、校内模試で学年3位を取ったこともあるという。「テストの1週間前になると練習が軽くなるから、そこで一気に記憶して、当日は朝3時から起きて情報を詰め込んでな(笑い)」。そんな男だから、失敗しても失敗しても立ち上がれる。結果が出なければ練習するだけ。持ち味の思い切りも忘れず、ファーストストライクを仕留めて2発を放った。

 前夜、チームは東京都内の焼き肉店で決起集会を開催。選手会長の関本、最年長の桧山が「打倒巨人で頑張っていこう!」と宣言していた。首位巨人との2・5ゲーム差は変わらずも、チームのムードは最高だ。「全身全霊をかけて優勝を目指します」。良太の熱い宣言とともに虎の猛追がスタートした。【佐井陽介】