<ソフトバンク2-3西武>◇4日◇ヤフオクドーム
西武渡辺久信監督(48)が執念の采配で、ソフトバンク戦の敵地での連敗を7で止めた。1点リードの8回2死二塁で2番手に増田を投入。前日3日に決勝2ランを浴びたルーキーにとって、試練の場だったが、内川を抑えた。9回2死二塁では、守護神涌井からウィリアムスにスイッチ。今季初めて、自らマウンドに足を運び、この試合に懸ける気持ちを体現した。
1点リードの9回2死二塁、球審にタイムをかけ、涌井が立つマウンドに向かったのは渡辺監督だった。グラウンドで守る選手、ベンチで戦況を見守る選手に、張り詰めた空気が流れる。ゲキなのか、交代なのか-。「チームの勝利のために最善を尽くすため、ウィリアムスに代える」。涌井にひと言告げ、ボールを受け取った。
渡辺監督
その前に空振り三振を取ったボールも素晴らしかったし、(涌井)本人は当然いくつもりだっただろうけど、今日の試合の意味を考えて、(交代を)納得させるためにマウンドに行った。総力戦だよ。
この一戦の意味を示す継投だった。サファテがケガで抜け、守護神を託した涌井からのスイッチ。エースの復調を誰よりも願って、一時的な配置転換を決断しただけに、苦渋の決断だっただろう。それでも、前夜の敗戦後、緊急の全体ミーティングを開き、「危機感をもってやる」と覚悟を決めた。迎えた打者はラヘアで、涌井の対左打者との被打率なども見極め、勝負の鬼に徹した。思惑通り左腕ウィリアムスはラヘアの代打、右の李杜軒を抑えて同一カード3連敗を逃れた。
“骨太”采配も勝利をたぐり寄せた。1点リードの8回2死二塁、内川を迎えた場面で先発岸から増田に代えた。前夜、松田に逆転2ランを浴びたルーキーに挽回する場面を用意。「悪夢を払拭(ふっしょく)するには、同じような場面を抑えないと。甘い場面よりもしんどい場面。やり返してこい」と送った右腕が起用に応えた。ソフトバンク戦の敵地での連敗を7でストップ。渡辺監督は「気持ちの出た試合」とたたえた。【久保賢吾】



