偉業へラストスパートをかける。ソフトバンク長谷川勇也外野手(28)が19日、球団初のシーズン200安打を誓った。105試合を消化し、両リーグトップの147安打。年間201・6安打ペースで、10年川崎宗則の球団記録190安打を上回る。数字は終盤まで意識しないと口にしてきた打撃職人。残り40試合を切り「200本は目標にしたい」と言い切った。今日20日からオリックス3連戦。首位楽天追い上げの中心となる。

 早朝の羽田空港で、寡黙な戦士がゆっくりと口を開いた。言葉を選びながら、これまであまり語らなかった数字への意識をはっきりと口にした。過去にイチロー、青木、西岡、マートン、ラミレスと5人しか達成していない年間200安打。ほぼ同じペースで安打を積み重ねてきた。

 「200本は目標にしたい。安打数は積み上げられるもの。逆に言えば試合に出続けなければ上がっていかないから」。打率もリーグトップで、楽天銀次らと激しい首位打者争いを展開するが「それは試合に出なければ変わらないので」とさほど関心を示さない。安打を1本でも多く重ねることが、自らの勲章、そしてチームへの貢献につながると考えている。

 残り39試合で53安打が必要。これを「ほどよい距離感」と独特の言い回しで表現した。「ちょっとでも調子を落としたら無理。それがいいモチベーションになる」。シーズン佳境を迎え、疲れは否定しないが体力面も問題ないという。

 優勝した交流戦と、6月の月間MVPを受賞。17度の猛打賞を含め、マルチ安打は48度を数える。自己最多は打率3割1分2厘をマークした09年の159安打だが、故障さえなければ更新は確実な状況だ。藤井打撃コーチは「去年まではとにかく逆方向だったのが、今年は引っ張れるようになった。それでヒットゾーンが広くなった」と話す。

 語り終えた長谷川は、福岡に向け機上の人となった。オリックスとの3連戦。初戦先発の松葉には5月にプロ初白星を献上した。その時に3安打した安打製造機が、今度も攻略の手本を示す。【大池和幸】