<中日4-9阪神>◇25日◇ナゴヤドーム

 阪神が“鬼門”と呼ばれた苦手ナゴヤドームで5連勝。27日からの首位巨人戦へはずみをつけた。11安打9得点の打線を新井貴浩内野手(36)が3安打5打点とけん引。貯金は5年ぶりに17まで伸ばした。

 前日まで2試合連続無安打だった新井貴が、「倍返し」だ。1回2死二、三塁で山井から先制の2点左前適時打。2回2死一、二塁では右中間最深部へ2点二塁打を決め、この回6得点を呼んだ。仕上げは5回。2番手武藤から弾丸ライナーで左翼席に突き刺し、15号ソロで竜の戦意を喪失させた。

 試合前、より気持ちを引き締めた。ヤクルト宮本が現役引退を決断。「本当に尊敬している先輩。いろんなことを勉強させてもらった」と残念がった。かつて、こう話していた。「宮本さんは『私』に走らない。常に『公』を考えて動く人」。08年北京五輪では宮本が日本代表主将、新井貴が4番として想像を絶するプレッシャーを共有。人柄にほれ込んだ宮本から同年オフ、自身が務めた労組選手会長の後任として、直々に指名された。「自分にはできない。最初は断ろうと思っていた」。そんなある日、宮本が日帰りで東京から大阪まで「オマエに頼む」と伝えに来てくれた。思い出は尽きない。「残り試合、タイガース戦もある。宮本さんのユニホーム姿をもう1回目に焼きつけようと思う」と全力プレーで感謝を伝える。

 ナゴヤドームで自身3年ぶりの1発を放ち、三塁打が出ればサイクル安打達成だったが、何より4連勝がうれしい。個人記録よりもチームを思う気持ちは宮本と通じる。

 チームは初のナゴヤドーム5連勝。鬼門と呼ばれた同球場で5年ぶりのシーズン勝ち越しも決め、明日27日から敵地で巨人3連戦だ。「雰囲気はいい。目標がはっきりしていて、みんなで追いかけようとなっている。気合全開でいきたい」と結んだ。決戦を前に、ムードは最高潮だ。【佐井陽介】