<西武2-5ソフトバンク>◇25日◇西武ドーム

 マッチが目覚めた。ソフトバンクは2試合連続の逆転勝ち。西武戦5連勝で、3年連続のカード勝ち越しを決めた。3回に松田宣浩内野手(30)が18号決勝3ラン。前日3年ぶり4三振と散々だった4番の1発を秋山監督が予言していた。3カードぶりの勝ち越しで、首位楽天の優勝マジック点灯を阻止。2位ロッテとは1差に迫った。明日27日からはロッテ、楽天と勝負の上位6連戦。主砲の復活は明るい材料となる。

 何を起こすか分からない。それがソフトバンク松田の魅力だ。3回に飛び出した決勝3ランがまさに象徴。1死一、三塁から、甘いチェンジアップを左翼席にライナーで運んだ。「最近、チャンスでことごとく打てていなかった。この打席こそはという気持ちで打った」。10年から6連敗中と天敵だった野上をKOに導く7試合ぶりアーチだ。

 明らかな下降線をたどっていた。前日24日に3年ぶりの1試合4三振。今季初めて送りバントを命じられ、それも失敗する“厄日”だった。この日も第1打席の好機で力ない遊飛。トンネル突入かと思いきや、突然、快音が飛び出した。

 試合前に秋山監督が言っていた。「心配なんかしてないよ。昨日打たなくても、今日は打つ。そういうバッター。ピッチャーも変わるしね」。そんな予言が的中し「今日は打つって言っただろう」とドヤ顔だ。

 松田には先のオリックス3連戦で内角をしつこく攻められた後遺症があった。「あれからボールの見え方がおかしかった」。打つポイントを後ろに微修正したが、突然の変わり身は周囲も驚くばかり。藤本打撃コーチは「すぐにああやって打てるところがマッチのすごいところ」と話した。

 すっかり4番に定着。打点王争いではトップの西武浅村に7差と迫った。ただ本人に4番という意識はない。「つなぐ意識があったのが良かった。チャンスに打てなかったら、4番としてじゃなく、バッターとしてだいぶショックだから」。巨人の4番阿部は、相手がひるむような引っ張りの強い打球を意識するという。松田も18本塁打のうち左翼が13本と引っ張りの打球は多いが、考え方は正反対。この日も練習で右打ちを繰り返していた。

 「これから総力戦。4番だとか言ってられない。バントのサインが出ると思ってやる。次の6連戦で爆発したら、もっと上にいける」。27日からは1差に詰めた2位ロッテ、さらに首位楽天と続く決戦ウイークに臨む。逆転優勝へ重要な上位決戦を前に、お祭り男のテンションが上がってきた。【大池和幸】