球団初のマジック点灯を前に、楽天田中将大投手(24)が“戒め”を込め、先発陣の奮起を望んだ。26日、Kスタ宮城で調整を行った。前日25日までの2位ロッテ3連戦では、田中の勝利の後に2試合連続の逆転勝ちをして3連勝を飾った。この現状に「うれしいですね」と話したエースだが、「でもやっぱり先発が打たれているのはいけないですよね」と先発の不安定さを嘆いた。

 2位に5・5ゲーム差をつけても油断はならない。23日に登板した田中の翌日は左腕辛島が先発し、1回に4失点。打線の援護で今季初勝利したが「あの内容じゃ握手はせんからなって、握手はしませんでしたよ」と、日頃からかわいがる後輩にも厳しく接したという。11勝を挙げているルーキー則本以外は、勝ち星を計算できる先発がいない。リーグ優勝はもちろん、シーズン後の短期決戦を勝ち抜くためにも、気を引き締めるよう求めた。

 今日27日のオリックス戦に勝てば、ソフトバンクの勝敗次第で球団初のマジックが点灯する。3連勝中でチームは好調だが、田中は「その前に5連敗しているので、プラスじゃないです」と冷静だった。気を緩めないエースと同じように、星野監督も「マジックなんて消えるもの。1桁になってから(考えること)」と話した。隙を見せず、戦い抜く。【斎藤庸裕】