<中日1-5ヤクルト>◇8日◇ナゴヤドーム
「55号」まで、あと2本!
ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)が、中日山井から6試合ぶりとなる53号ソロを放った。ここ5試合は大振りになって1発から遠ざかっていたが、前日7日の試合後に原点回帰の必要性を痛感。コンパクトなスイングに修正して調子を取り戻した。10日の広島戦から、今季32発の本拠地・神宮で6連戦。快挙達成のムードが再び高まってきた。
27打席も遠ざかっていた感触に酔いしれた。ヤクルトのバレンティンが6回、中日山井の外角124キロスライダーを真芯でとらえた。バットを片手に、左翼席中段へ向かう打球の行方を見届けた。「前の球もスライダーでスイング(ファウル)したので2球続けてくると狙っていた。ヒサシブリ!
キモチイイ!」と6試合ぶりの53号ソロを満面の笑みで振り返った。
生みの苦しみを味わった。プロ野球記録の55本塁打まで残り3本となると、1発欲しさに大振りが目立ってきた。前日7日にはスイング後のバットが捕手の頭部に当たる“悪癖”も出た。その試合後、ふと考えた。「大きいものを狙っていった結果スイングが大きくなっていた。悪い球に手を出して三振していた。それは自分のためにもチームのためにもならない。これではいけない」。欲を捨て、基本に立ち返ると決めた。
反省をすぐに体現した。4回1死二塁での第2打席で、フォークを強引に行かず丁寧に振り抜いた。「ランナーをかえすことを意識してコンパクトなスイングでミートすることを心掛けた」と左前に先制適時打を放った。「(本塁打は)安打を打ったことで自信を持って打席にいけたのが大きかった。長かった」。記録達成への壁を乗り越えた。
残りは2本。10日からは今季32本塁打の神宮で6連戦だ。小川監督は「警戒され、騒がれている中で1本出た。気分よく神宮に帰れると思う」と言えば、バレンティンも「その瞬間をスワローズファンと分かち合いたい」と本拠地での達成を視野に入れた。
東京での五輪決定にも「20年まで日本でプレーできていればいいね」とリップサービスで祝福した。陽気な性格も復活し、止まっていたカウントダウンが、再び始まった。【浜本卓也】




